以前に紹介したことがあるのですが、旧チャーチで同じラストを使っていても、ウィズが違うと全くサイズ感が違うということがあります。
この点に関して、疑問を抱いていた私はすぐさま調査することに決めました。
ネットで見ていると、ちょうど比較の対象にしやすいものがあるじゃありませんか。
今回はたびたびお世話になっているstudio.CBRさんにて、その履き心地の差を比べてきました!
試したのはラスト73の靴で、やや幅が狭いEウィズの85サイズと標準幅であるFウィズの85サイズです。
Eウィズを使っているのは3アイレットダービーのJermyn(ジャーミン)
Fウィズを使っているのは内羽根フルブローグのChetwynd(チェットウィンド)です。
以前、80DのJermyn(ジャーミン)を持っていたのですが、こちらは縦寸が70Fのチャーチ以上に短くなっており(少なくとも私には履くことはできませんでした。物理的に足は入りますが、捨て寸がないため、靴として実用することはできません)、大変窮屈な思いをしました。
それでは早速履き比べてみましょう。
ジャーミンと比べるとチェットウィンドはかなり幅の広い靴に見えます。
Eウィズの分だけジャーミンはスマートに見えますね。それを後押しするようにプレーントウなので、そのスマートさが際立っているとも考えられます。
実際に私が履いてみた印象としては、85Eは80Fのチャーチよりも少し余裕がありつつも、ほぼほぼ近しいサイズ感と思って大丈夫かと思います。横幅以上に、ボールジョイントより前の指幅の方が気になりました。ジャーミンの方を見ていただくとお気づきになる方もいらっしゃるでしょうが、指の形が靴のサイドにくっきりと浮き出ています。
これはジャーミンがアンライニング仕様の靴で、より足指の形がでやすいということも少なからず影響しているでしょう。
トウシェイプも若干ナローになっているといったところでしょうか。1の甲の部分も若干低く感じられ、80Fのものと比べても、甲の浮きはサイズがアップしても、さほど変わらない印象でした。縦寸がビミョーに長いような気がしないでもありません。
やはり以前紹介した80Dのサイズが特別だったのかもしれません。
対してチェットウィンドの85Fのサイズはかなりゆったりして感じられます。80Fのものと比べると、明らかに縦寸が長く設定されていることがわかります。
横幅もさることながら、甲回りもさらに一回り大きくなっており、ゆったりとした履き心地になります。
目次
ラスト73 85Eと85Fの最大の違いは縦寸
今回私が履き比べてみて、ラスト73の85Eと85Fを比べてみたところ、最大の違いは縦寸にあると感じました。
やはり同じ85でも、寸法が全く違うということに気が付きます。
これは以前80Dの旧チャーチが全く足に合わなかったことと照らし合わせても納得できる気がします。
旧チャーチの場合、同じラスト、同じサイズでも、ウィズの違いがあるとその縦寸に違いがあることは(少なくとも体感ではそう感じる)私の中ではほぼ固まってきたところです。
横幅の差はあまり感じない
さて、ウィズといえば、ボールジョイントを中心とした横幅の足囲を指すので、さぞかし横幅が違うものに感じるのだろうと思っていたら、実際はほとんど横幅に差は感じられませんでした。
気になる点と言えば、先にも説明した通り、縦寸と指幅の違いになります。
甲もFウィズのほうが高く感じました。
ウィズのサイズをあげることで、ゆったりとした感覚で履けることには間違いありませんが、横幅が広い人、また逆に横幅が狭い人にこのウィズの差異でサイズを変えるというのも何だか効果がテキメンというほど有効な手段ではないような気がします。
特にこの旧チャーチに関してはその感覚が特に強いです。
…こうしてまたひとつ旧チャーチの謎が解けたような気がします。
この履いてみないとわからない不安定な要素が残る一方で、現在のチャーチではEウィズは存在しておらず、全て標準幅のFウィズからのスタートとなっています。
標準幅のFの次がGで、今もやっているのかどうかわかりませんが、中にはHウィズのものもあります。
少なくとも日本の販売店において、見つけることが出来るのはFウィズがほとんどで、Gウィズのものはあまり見ることは出来ないでしょう。
そういった意味で、サイズさえわかってしまえば、サイズ選びに苦労することがないという点で安心が出来ますね。
今回旧チャーチのチェットウィンドを履いて改めて思ったことは、ラスト(木型)が73よりも、ラスト173のほうが適度にアップデートされていて、使いすく、また歩きやすいということです。
チャーチ好きの人も、あまり旧型にこだわらないほうが賢明かもしれません。
靴は出会いもの。良いものと巡り合えるといいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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チャーチ Church’s Paris チェットウィンド ブラック カーフ CHETWYND BLACK 173 黒 メンズ ウィングチップ |
コメント
はじめまして。
いつもチャーチの記事楽しみに拝見させていただいております。
いろいろと勉強になることが多く過去記事含めチャーチ好きにとっては大変ありがたい情報を公開していただき本当にありがとうございます。
さてチャーチのラストやウィズについて大変お詳しいので、一つお伺いしたいのですが復刻版、5都市バージョンの73ラストEウィズと旧チャーチ3都市73ラストEウィズでは同じウィズ、サイズでも寸や幅に違いはあるでしょうか?というのも最近復刻版のマイサイズ6.5Eを見つけて気になっております。
お忙しいとは存じますがご意見ちょうだいできるとありがたいです。今後ともご無理ないペースでファッションに関する記事の更新を頑張ってください。よろしくお願いいたします。
チャーチ猫様
コメントありがとうございます。
私も復刻版のチャーチを履いたことがありますが、微妙に履き心地は違いました。内寸が違うというか。
当時と違い、ライニングが革になっていたり、中底の硬さが違うように感じたり、素材1つ1つが当時の物と違うので、多少なりとも、履き心地は変わってくるのは避けようがないと思います。
これはチャーチに限らず、イギリスのその他のメーカー、イタリア、日本、どの国の靴メーカーでもあることなのですがね。
それがいわゆる「個体差」になります。
そのEウィズのラスト73が合うのであれば、ほとんどの場合、履き心地が違うように感じても問題なく履けるかとは思います。
ご参考になれば幸いです。