アレン・エドモンズ Park Avenue(パークアベニュー) 純度100%のアメリカンドレスシューズを楽しもう

アメリカドレスシューズの生き残りであるアレン・エドモンズの靴は、イギリスの靴とはまた一味違った趣のある靴です。

私も好きな靴で、イギリス調のスーツがベースであろうと、イタリア調のスーツがベースであろうと、履くだけでアメリカンテイストの雰囲気が出てくるから面白い靴です。

一見ずんぐりしてみえるようで、履き口が少し広く、6アイレットゆえに全体が見た目以上に長く見えるという点が一番の異なる点かもしれません。

また、いわゆる寸が詰まったような見た目の靴にもなりません。

6アイレットという点はオールデンやジョンストン&マーフィー、その他諸々のアメリカ靴に共通した点です。

しかし、ドレスシューズという点においては、今やアレン・エドモンズを凌ぐアメリカ製のドレスシューズはないと思うのです。

オールデンはVチップやローファーなどは有名ですが、ドレスシューズはほとんどフューチャーされません。それはオールデンがカジュアル目なラインの作りを得意としているからでしょう。

逆にアレン・エドモンズのカジュアルシューズでパッと思いつくものはなかなかありませんが、ドレスシューズであれば、いくつも名作が頭の中に出てくるのです。

Park Avenue(パークアベニュー)、Fifth Avenue(フィフスアベニュー)、Broadstreet(ブロードストリート)、McAllister(マクアリスター)、MacNeil(マクニール)などなどサッと出てくる名作ぞろいです。30年代~60年代のスペクテイターシューズもアレン・エドモンズのものは断然にカッコいい。

今やアメリカのドレスシューズといったら、やはりアレン・エドモンズなのです。むしろ残念なことではありますが、アレン・エドモンズに頼らざるを得ません。

そんなアレン・エドモンズの代表モデル、Park Avenue(パークアベニュー)を紹介していきます。

目次

アレン・エドモンズ Park Avenue(パークアベニュー)

アレン・エドモンズといえば、まずはこれでしょう。

黒の内羽根ストレートチップのパークアベニューです。

使用しているラストはラスト65です。アレン・エドモンズの中では最も長いラストです。

イギリス靴とはまた違った丸~く、小ぶりなラウンドキャップトウが優しい表情を作ります。

日本で出回っているパークアベニューは、Eウィズの設定の物が標準ですが、標準的なEウィズのものでも横幅はやや細く、全体がスリムに見えるシルエットになっています。

アレン・エドモンズはAAAAの靴からEEEの靴まで幅広いウィズのラスト、そしてサイズも5から18まで揃えているといいます。

これは多民族国家であるアメリカにおいて、どんな人種の人にも差し支えなくアレン・エドモンズが履けるように同社が工夫していることなのです。

この中でいえば、Eウィズはずっと上の方のウィズですが、それでも細いというのが、イギリス靴、さらにいえば日本製の靴とは大きく異なっている点です。

アフリカ系の人は足幅が細いといわれていて、そういった人たちにも履けるようになっているアメリカという国の成り立ちが靴をとおしても見えてきます。

このパークアベニューのまず真っ先に目に行く点が、レースステイの一番下、シャコ止めの下にあるヴァンプのステッチです。

3列に渡って縫われているその姿は重厚感たっぷり!

そしてここからが実にアメリカ靴らしいのですが、ステッチの間隔は1個体1個体でまちまち。

バッサリ言ってしまえば「雑」です。しかし、その雑さの中にも味が生まれます。アメリカらしいタフさを求めた靴といったところ。

雑ではありますが、ステッチ同士が絡むほどにはなっておらず、ここがホワイツやウエスコといったアメリカのワークシューズブランドと大きく異なるところです。

さすがにドレスシューズなのに目につきやすいところのステッチが絡んでいるのは嫌ですよね(笑)

そういったことはまずないので安心しましょう。

こちらのパークアベニューはアメリカ靴を代表するように、レースは当然6アイレットになっています。

よくある5アイレットの靴とは表情がたったこれだけでもガラリと変わるのが靴の奥深~いところなのです!

アレン・エドモンズならではの、360°グッドイヤーウェルト製法(ダブルグッドイヤーともいいます)、シャンクを入れずにコルクを靴底全面に引いているため、足馴染みとクッション性がとても高いのも見逃してはいけません。

甲革に使われているのは、カスタムカーフというもので、きめが細かいというよりかは、最初のうちはオイリーでマットな独特な表情をしているといった印象です。履き皺が深く入るかと思いきや、しっかり綺麗に入るので、質はきちんと高い革であることがわかります。

この革は時間が経って、馴染んでくるとたちまち光沢感がでてきます。この点がパークアベニューの味わい深さを引き出すカギとなっているのです。

アレン・エドモンズは「Made in USA」最後の希望

アレン・エドモンズは、過去経営難に陥っても、生産拠点をアメリカから離れなかったブランドのひとつです。アメリカには60年代から70年代頃まではたくさんの魅力ある靴があったのですが、もはやそれも過去の話。

アレン・エドモンズがなくならないように、私もしっかりと応援し続けていきたいと思っています。

カカトも小ぶりで履きやすいので、足幅が細くてお困りの方もぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

スポンサードリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする