Johnston & Murphy(ジョンストン&マーフィー) 希少なMade in USA

先日まで紹介してきた1989年頃の革靴の話…

平成が終わる寸前なので、平成が始まった年の靴を振り返る企画でした。

ちなみに「男のブランド図鑑」は現在中古市場だと15000円近くの値が付くそうです。

ちょっと売っちゃおうかな…(笑)買い手はいるのでしょうか。

さて、今日はその1989年頃の靴を振り返った中に混じっていた、今も現存する

数少ないアメリカ靴ブランド、Johnston & Murphy(ジョンストン&マーフィー)に触れたくなったので、こちらを紹介していきたいと思います。

目次

Johnston & Murphyの歴史

ジョンストン&マーフィーの歴史はイギリスからアメリカに移り住んできた靴職人のウィリアム J.ダドリーは1850年、アメリカのニュージャージー州ニューアークで「William J. Dudley Shoe Company」という会社を設立したところに始まります。

1880年にビジネスパートナーとしてジェームス・ジョンストンが会社に加わりました。翌年の1881年に創業者であるウィリアム J.ダドリーが死去すると同社は「The James Johnston Company」と名前を変えて企業は存続していきました。

1884年、ジョンストン氏が実業家のウィリアム・マーフィー氏を迎え入れます。

そうして1884年「Johnston & Murphy」という会社が誕生したのです。

ジョンストン&マーフィーはその後、1951年にナッシュビルに所在するジェネスコという会社に買収されました。現在も子会社として存続している状態です。

大昔から歴代アメリカ大統領に履かれた靴としても著名で、オバマ元大統領も愛用していたことで知られています。

その昔はハイエンドユーザー向けの靴を主に製造しており、特に60年代~70年代にかけて製造されたジョンストン&マーフィーの靴は高値で中古市場で取引されています。

特に高級ラインである「アリストクラフト」の完成度の高さは別格です。

イギリス靴にはない抑揚の強いラストはグラマラスで、気品があります。

現在のジョンストン&マーフィーは製造のほとんどを海外生産に移行しており、革靴のみならずスニーカーやコンフォートシューズを手掛けており、さらには衣類の販売にまで手を出している状態です。

肝心の伝統的なグッドイヤーウェルト製法で作られたハイエンド向けの靴はほとんど作っていません。5万円以上の良い値段の靴をたまに見かけても、メキシコ製というものも多いのが現状です。

全体の1%にも満たないのではないかというところで、Made in USAのジョンストン&マーフィーは残っています。しかし、2019年以降このモデルが未来にも残っていくかというとかなり怪しい状況です。

現在、ジョンストン&マーフィーのMade in USAの靴がいったいどこで作られているのか?それがハッキリ言って検討がつきません。間違いなくMade in USAなのだそうですが、もしかしたらアレン・エドモンズやオールデンにOEMで作ってもらっているのではないかと私は思っています。

誰か現在のジョンストン&マーフィーが自社で作っているのか、それとも外注なのか詳しいことをご存知の方はお知らせください。

大変希少になったMade in USA

さて、そんなジョンストン&マーフィーの靴ですが、現在もほんの僅かにMade in USAのモデルを市場で目にすることがあります。

今も残る高級ライン「アリストクラスト」ラインのジョージタウンです。

製法はグッドイヤーウェルト製法で、ソールに仕込まれた練りコルクが衝撃を吸収します。

ラストはアメリカ靴ならではの、抑揚の強いラストです。

この秘密は、靴の前半部と後半部でウィズの設定を変えることにあります。

これにより履き心地の向上を目指すのと同時に、グラマラスな曲線美を生み出し、見た目の美しさを生み出しています。

ラストはインサイドストレートが特徴的ですね。人間の足は、インサイド=内側が直線になっています。よって、靴も人間の足に無理がないようにインサイドストレートにするものが高級靴の目安であるのですが、きちんとジョンストン&マーフィーの靴はその点を考慮していることがわかります。(ジョンロブ・パリのように、あえてインサイドストレートにしていないラストを多用する高級メーカーもあります)

アメリカ靴ならではの意匠も忘れてはいけません。

この画像にその特徴が入っています。

それは6アイレットという点です。6アイレットと言えば、クラシカルな意匠であり、かつアメリカ靴ならではのスタイルでもあります。6アイレットにすると、すらりとしたラインを描くようになるため、靴がシャープに見えるというメリットがあります。

底はレザーソール。「クラウン アリストクラスト」の文字が誇らしく、 土踏まずがグッと絞り込まれていますね。

横から見てもソールに厚みがあり大変丈夫そうですね。

今や大変希少なMade in USAのジョンストン&マーフィーです。

手に入れるのは、もしかしたら今がラストチャンス、未来にこの靴を語り継ぐのはあなたかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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