本日も引き続きPERFETTO(ペルフェット)の靴を紹介していきたいと思います。
ペルフェットはイタリア語で「完璧な」という意味を持つブランド。
イタリア靴のような艶やかさ、イギリス靴のような頑健さ、日本ではなかなか手に入れることのできない高品質な革、誂え靴のような端正な作り込みと仕様。
全てを兼ね備えた靴、という意味で「PERFETTO」とブランドは名付けられているのですが、その言葉に偽りのない素晴らしい靴を作っていると思います。
今回紹介するのは、ペルフェットの中でも、代表モデルとしてローマの七丘の名前を与えられたストレートチップのVIMINALE(ヴィミナーレ)を紹介します。
古代ローマの都市の起源となったローマの七つの丘、アウェンティヌス(アヴェンティーノ)、カピトリヌス(カンピドリオ)、カエリウス(チェリオ)、エスクイリヌス(エスクイリーノ)、パラティヌス(パラティーノ)、クイリナリス(クイリナーレ)、ウィミナリス(ヴィミナーレ)
前6世紀の初めまでにこれら7つの丘の集落が合体して都市(ウルプス、ポリス)を形成したと言われています。
そんなローマの七丘にあやかったモデルはどのような靴なのでしょうか。
PERFETTO VIMINALE(ヴィミナーレ)
ペルフェットのVIMINALE(ヴィミナーレ)はローマの七丘のひとつから名前を与えられたペルフェットの代表モデルのひとつです。
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使われているラストはカンピドリオやクイリナーレと同様ラスト791です。ペルフェットといえば、このラストが基本でしょう。グリーンで言うところの202、チャーチで言うところの173みたいなイメージです。
ボールジョイントに余裕を持たせつつ、つま先に向けてアウトサイドから強くシェイプを効かせたラストです。
幅の広い人が多いと言われる日本人の足型をよく考慮しつつ、エレガントさを追い求めたラストだと思います。
一の甲はやや低めで、二の甲にかけてせりあがっていく形状をとっています。
ノーズも長く、捨て寸も十分とれています。きつめがお好みの方であれば、普段履いているイギリス靴よりもハーフサイズ落としても履けることでしょう。例えばグリーンの202で7.5であれば、7.0といった具合。ジョンロブの7000ラストを履くのと感覚は近いです。
このストレートチップを仔細に見ていくと、ある点に気が付きます。
つま先などのステッチが見えず、革で隠されています。
これはレベルソという仕立てになります。切り返しのステッチが見えないように革を折り返すというひと手間加えた作りなのです。
イギリス靴やアメリカ靴ではまず見受けられない仕立て方でして、やはり艶やかさを打ち出すことの多いイタリア靴、スペイン靴ブランドにしばしば見受けられる仕立てです。
アメリカ人はとてもじゃないけどこんなことやらないでしょうね(笑)仮にやったとしてもメチャクチャ、ガチャメチャな靴になってしまう事でしょう…。
革を折り返して隠すというのは、製造工程ではなかなか手間がかかるものになるので、安価な靴を展開するブランドではあまり見かけません。
ステッチラインを革で隠すだけですが、色っぽさというのが通常のストレートチップとはやはり違います。
チェスターフィールドコートやカバートコートなどで例えると、正式に比翼仕立てにしているかのような雰囲気があります。
もちろんどんな場面でも履ける靴なのですが、個人的には冠婚葬祭で言うと、結婚式などのような、明るく華やかで普通の日とは異なる「ハレの日」的な場面で履くと、このレベルソ仕立てのストレートチップはより美しく映えるのではないかと思います。
もちろんヒールは地面に向かってテーパードしていく、ピッチドヒールになっており、これもビスポークシューズなどで取り入れられることがあるエレガントに見える秘訣となっています。
ソールもレザーソール、伏せ縫い仕様で半カラス。もうこの出来栄えと来ると、10万円近くするイギリス靴やイタリア靴よりも、きっちりと半カラスに仕上げられており、ペルフェットのほうがよほど丁寧に出来上がっている印象です。
グッドイヤーウェルト製法ながら、コバの張り出しも抑えられており、エレガントさの追求に余念がありません。
使っている革はイルチアのカーフ。紛れもない高級な革です。黒でもムラ感が若干感じられるような革です。
高クオリティ、グッドプライスの靴だと間違いなく言える日本を代表する本格靴です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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