油断大敵。
こんなもんだろう、なんて思っていたり
俺は何でも知っている、なんて思っていたりすると、ある日自分の知らなかったことを知って驚いてしまうことがあるものです。
今日はちょっとした発見を皆さんにお伝えしたいと思います。
それがクロケット&ジョーンズのBALFORRE(バルフォア)という靴。
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クロケット&ジョーンズはご存じのとおり、イギリス靴きっての人気ブランドであり、歴史もあります。そしてその歴史の中で培われたのが、OEMメーカーとしての技術でした。
一時はジョンロブの既製靴を手掛けていたほどにその技術力というのは靴業界の中でも信頼されていたものです。
今でもジョージ・クレバリーの既製靴はクロケット&ジョーンズのハンドグレードラインと同レベルで展開していますし、ポールセンスコーンの靴を手掛けていたりもします。
クロケット&ジョーンズの技術料の高さは私も認識していますが、驚いたのがこのBALFORE(バルフォア)で、クロケット&ジョーンズがライトアングルステッチのUチップ、エドワードグリーンのDOVERタイプの靴を出してきたことです。
ここ最近、ペルフェットの靴に始まって、スキンステッチの話がやたらに出ますが、何度かご覧になられている方も今一度スキンステッチについてのお話にお付き合いください。
スキンステッチとは革の内部を手で縫い通す」縫製のことです。
靴の製作において、革のパーツとパーツを繋ぎ合わせる時や、飾りとして施すときに縫製をすると、通常は革の表と裏を糸が貫通します。これに対し スキンステッチは、一方から針を入れた後、その反対側へは針を貫通させず、革の内部のみを縫い通します。
縫製中に針が甲革へと貫通してしまったら、全てがご破算になってしまうので、一瞬も気が抜けない作業です。
大抵スキンステッチをやっているメーカーであれば、スキンステッチの専属の職人さんがいるそうで、一日中ひたすらスキンステッチを行っているそうです。手作業かつ高い集中力を求められるため、日産数足ということもしばしば。
いやはやだから驚きました。
クロケット&ジョーンズもスキンステッチが出来るんだな~と思いました。と、いうのもここ数年私が見る限りでは、クロケット&ジョーンズネームの靴でスキンステッチの靴を出しているのを見ていなかったからです。
とはいえ、先ほど述べたようにクロケット&ジョーンズ自体は、様々なメーカーから靴の製造を依頼されている有数のOEMメーカーとしての顔もあるわけなので、スキンステッチくらいできて当たり前なのでしょう。
それでも驚いたのはクロケット&ジョーンズがスキンステッチの靴を出すのを私は初めて見たからです。
もしかしたら、今まで結構出していたのかもしれませんが…。
「こんなことだって俺たち出来るんだぜ」
そんな言葉が聞こえてきそうな靴に脱帽しました。
どなたかこのバルフォアのほかに、クロケット&ジョーンズ製でスキンステッチが施されている靴をご存知の方がいらしたら、教えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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