サイドエラスティックシューズとは、靴の履き口の両サイドにゴムを配置することにより、簡単に脱ぎ履きができるスリッポンシューズの一種です。
広義ではサイドゴアブーツのことも「サイドエラスティックシューズ」と称して販売しているメーカー・販売店もありますが、靴愛好家の方が言うところの「サイドエラスティックシューズ」と言えば、やはり短丈タイプのスリッポンシューズのことを指す場合がほとんどです。
スリッポンと言っても、コインローファーやタッセルローファーのようなカジュアルな雰囲気はほぼ皆無で、完全にオンの時に履くフォーマルシューズとして使うことになります。
デザインによりますが、個人的にはジャケパンスタイルでも少々持て余すくらいのかっちり感が出る靴なので、仕事はスーツを着用しなければいけないけれども脱ぎ履きも多いから、少しでも着脱が簡単で楽な靴が良いと思っている方には最適な靴だと思います。
このサイドエラスティックシューズですが、基本的にはイギリスのブランドが得意としているジャンルで、イギリス的なトラッドシューズを作っている大多数の日本の靴ブランドはこのサイドエラスティックシューズを作成しているものです。
ちゃんとしたサイドエラスティックシューズを探そうとすると、コインローファーやタッセルローファーほど気軽に見つけることは難しくなってきて、それなりの百貨店や靴専門店にいかなければ見つけることは難しいかもしれません。
とはいえ、今はネット全盛の時代。サイドエラスティックシューズと検索すれば、色々と候補はでてきます。
やはり検索してすぐにわかるのが、サイドエラスティックシューズの嗜好性の高さから製造・販売を行っているメーカーはほとんどが本格靴ブランドばかりだということです。
そういった名だたるメーカーが作りだすサイドエラスティックシューズはシャープさが極まった名品ばかりです。
特に日本の靴ブランドにフォーカスした場合、三陽山長はこのサイドエラスティックシューズの製造の名手ともいえます。
今回は三陽山長のサイドエラスティックシューズをまとめて紹介します。
目次
三陽山長のサイドエラスティックシューズ達
日本の本格靴ブランドの先導役ともいえる三陽山長は、本格靴を志向する方達に向けたマニアックなスタイルの靴も多く作っています。
その代表がサイドエラスティックシューズで、三陽山長はなんと現在ネットで手に入るモデルだけでも、3種類もあります。
①容之介(ようのすけ)
まず最初に紹介するのが、容之介(ようのすけ)です。
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容之介に使用されているラストはR309です。
三陽山長の中で最もロングノーズなスクエアトウのラストR303があります。
このR303をベースに2010年から展開を始めたのがR309です。
R303をベースに、そのノーズを短くすることで、見た目のほっそりしたイメージを保ったまま、よりベーシックな形になっています。
ヒールカップが小振りで、甲を低く抑えることで華奢な足の方でもしっかりしたホールド感があるため、サイドエラスティックシューズのようなスリッポンには最適なラストの1つです。
容之介はデザインも完全にプレーンなサイドエラスティックシューズなので、華奢なラストR309のソリッドな印象が強く出ます。
マニアックポイントとしては、サイドエラスティックが履き口やや前方にあるというところ。この点がクレバリーやジョン・ロブ・ロンドンといった老舗高級イギリス靴ブランドに見受けられるサイドエラスティックシューズの特徴と重なります。
②十志郎(じゅうしろう)
十志郎(じゅうしろう)はサイドエラスティックとしては、最もベーシックなスタイルであるデザインのクオーターブローグのサイドエラスティックシューズです。
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使われているラストはR2010 です。
R2010はブランド10周年を迎えた2010年に登場した三陽山長を代表するマスターラストで、ストレートチップの友二郎やダブルモンクストラップシューズの源四郎といった有名モデルにも採用されています。
R201をベースとし、踵をホールドする小振りなヒールカップ、絞り込んだアーチライン、美しい履き皺を生み出すために低く抑えた二の甲が特徴です。
ラストの形状とデザインの要因もあって、容之介よりも丸みと尖った印象がなく、色んなスーツに合わせやすい靴だと思います。最もベーシックなサイドエラスティックシューズでしょう。
③友三郎(ともさぶろう)
三陽山長の代表モデルであるストレートチップの友二郎をベースとしたレイジーマンタイプのサイドエラスティックシューズです。
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レイジーマンシューズとは、革のダミーレースが意匠として施されたサイドエラスティックシューズのことを主に言います。
友二郎の特徴的意匠であるスワンネックももちろんついています。
友二郎、十志郎と同じく、ラストはR2010を使用しているため、最もベーシックなスタイルとなっています。
個人的にこのレイジーマンタイプのサイドエラスティックシューズは絶対にスーツでないとバランスがとれないと思っています。
それだけ重厚感があるスリッポンシューズだということで認識頂ければかな~なんて思います。
いかがでしょうか。
サイドエラスティックシューズだけでも、これだけの種類を持ち合わせている三陽山長の靴です。
三陽山長は基本的に履き心地が硬いので、ラスト的に考えると最もベーシックなR2010を使用した、十志郎か友三郎がおススメではあります。
ソリッドでノスタルジックなミッドセンチュリー的なスーツがお好きな方には、この中でも最もビンテージ感を演出できるマニアックな容之介がおすすめです。
サイドエラスティックシューズをワードローブに入ると、あなたも完全に靴好きの仲間入り!
のはずです…(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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