リーガルの01DRCDをはじめとする、リーガルの3万円代の紹介を先日しました。
リーガルというと、日本で最も知られた靴ブランドでしょうし、男性はもちろん女性も履いていることかと思います。
値段も15,000円くらいから36,000円のものまで、価格帯も幅が広くなっています。
リーガルには、通販を行っていない最上級ラインである「REGAL TOKYO」というブランドがあります。
東京・銀座に店を構え、こちらは既製靴で37,000円から50,000円台のものがレギュラー商品となります。コードバン素材のもので、8万円から10万円近くのものがあり、店舗の2階にはオーダーサロンも構え、完全注文のビスポークにも対応してくれるのです。
逆にスタートラインとなると、KENFORDというブランドがあります。リーガルブランドの弟分的存在で、価格は15,000円するかしないかくらいです。
KENFORDの靴は、価格的に魅力的なところではあるのですが、オールソールができないため、長持ちをさせて修理しながら履く靴ではありません。ダメになってきたら、新しいものに交換するといった感じです。
個人的な経験からすると、履きつぶしになってしまう靴は、あまりお手入れをしても綺麗になることがなく、経年変化というよりも経年劣化の面が目立ち、年月を重ねるほどみすぼらしくなっていくのです。
そういう意味では、オールソールをするのと同価格で新しい靴を購入するのも1つの考えなのかもしれませんが、年月を重ねられないものには、オーラというものがこもりません。
綺麗な新品の靴を履いた時に、見た目は綺麗になりますが、そういった靴を履き続けているといつまで経っても、箔というもの自分に息づかないものです。
高級靴を買えということのではありません。どうせ履くのならば、自分の佇まいにプラスになるものを履くべきだと私は言いたいのです。
よって、私はこの価格帯のリーガルはあまりお勧めできません。
今回はそんな価格レンジと、様々なニーズにこたえるリーガルブランドの中から、きちんと修理ができ、修理をするに値する靴を、デザインはストレートチップに絞り、私のおススメを紹介したいと思います。
目次
リーガルのストレートチップ3選
①リーガル 011RAL
商品コード: 011RAL ストレートチップ 23,760円(税込)
商品コード: 011RAL ストレートチップ 23,760円(税込)
リーガルの靴の中でも、特に人気のあるスタイルの靴です。
ロングノーズでシャープなラスト(木型)を使っていて、足元からスマートに見せたい方におすすめです。
カカトの部分だけ接着にしている、マッケイ製法(リーガルではセミマッケイ製法と呼称)を使用しています。
オールソールも可能なので、長く愛用できます。
リーガル 811RAL
ブラック23.0-27.0cm/EE 商品コード: 811RAL ストレートチップ 23,760円(税込)
ダークブラウン23.0-27.0cm/EE 商品コード: 811RAL ストレートチップ 23,760円(税込)
811RALはガラス革です。革の表面に樹脂をコーティングすることによって、雨や雪といった水の付着にめっぽう強くなります。
デザイン面を見てみると、トウは011RALに比べ、丸みを帯び、ノーズも長すぎません。
そのためこの靴のスタンスは実にオーソドックスなのです。時代によって大きく変化するデザインの流行に流されることはありません。
実用靴としては申し分のないクオリティもあり、マッケイ製法できちんと縫い付けて作られているため、お修理をしながら長く愛用することが可能です。ブラッシングと乾拭きをするだけで、外についている汚れを簡単にとることができるので、見た目を綺麗に保つことも割と簡単です。
こちらの靴はガラス革を使っているため、水に強く、手入れも簡単というメリットも大きいですが、革の風合いの経年変化を楽しむことはできず、擦れ傷ができるとクリームを使っても色が入らず元に戻りにくいというデメリットも持ち合わせています。
なお、同じガラス革はガラス革でもイギリス靴ブランドのチャーチのShannon(シャノン)などに用いられるチャーチ社オリジナルのガラス革、「ポリッシュドバインダーレザー」は、このようなことがありません。やはり値段の差はあるとはっきりとわかるのです。
リーガル 01DRCD
リーガル ブラック23.5-27.0cm/EE 01DRCD ストレートチップ(革底) 38,880円(税込)
リーガル ダークブラウン23.5-27.0cm/EE 「01DRCD」 ストレートチップ(革底) 38,880円(税込)
値段がアンダー4万円になり、高級感を感じられる靴になるのが、この01DRCDシリーズです。
私が初めて買った本格靴もこの01DRCDと02DRCDでした。
02DRCDはいまだに現役で7年以上履いています。
この中で私が自信を持ってお勧めするのが、01DRCDです。
価格は15,000円の差がありますが、この価格さ以上に魅力があり、購入して間違いないのが01DRCDです。
その理由を紹介しましょう。
①甲革はアノネイの革
革靴の良し悪しをパッと見て判断できる点と言えば、まず使われている革そのものです。
これはおおよそ7年以上使っている、01DRCDと同じラインのデザイン違いのモデルである02DRCDです。
写真のとおり、まだまだ革の張り、潤い感、光沢感が損なわれず綺麗なままです。
このままいけば10年は問題なく使えるでしょう。
甲革に使われている素材はフランスのタンナー、アノネイ社のものであるということです。アノネイの革を使った靴だと、殆どは50000円以上の価格となります(もちろん素材だけでなくより手の入った作り込みをしていますが)。
大人気の高級イギリス靴やイタリア靴なども、このタンナーの革を使っている、いわばお墨付きの革屋さんです。
なぜこの価格でリーガルがアノネイの革を使って靴を作れるかというと、それは圧倒的な会社規模の差があるという他にありません。
リーガルが日本最大の日本革靴ブランドです。
良い革を大量に発注するため、それに伴い値段も安く出来るのです。
東京の銀座にはリーガルブランドの最上級ラインとして、「REGAL TOKYO」がありますが、ここのオーダー工房で珍しい革を入手し、割安で使えたりするのも、こういった会社の規模の差という点が大きくプラスに働いているのです。
中底も当然革素材。内張りの革、ライニングも当然レザーライニングです。
レザーライニングの革靴は、「靴が足の形に馴染む」様子がよくわかります。
2万円代の革靴などになると、途端にキャンバスライニング、しかも非常に質の悪い化繊のライニングなどが目立ちますが、革のライニングは空気の流れもあるため、臭いもこもりにくくなります。
②革底であるということ
この36,000円のシリーズの魅力は革底だという点にもあります。
安い靴だと革底に見せかけた合成素材のものなんかもあったりしますが、このリーガルは正真正銘の革底です。
革底というと「滑る」というイメージがつきまといますが、雨の日にわざと滑るようなところを歩かなければいいだけで、晴れた天気であれば滑ることはほとんどありません。
むしろ革底の靴を履いたことがない人は一度、この革底の靴を履いて、その良さを体感してほしいと思います。
足の底から馴染んで足についてくるような返りの良さや通気性の良さは、ゴム底の靴では感じられない良い点がたくさんあります。
足の臭いに悩んでいる人は、ゴム底の靴ではなく、ぜひこの革底の靴を一度履いてみましょう。
今まで足の臭いに悩んでいる人に、足臭対策として、革底の靴をススメてきましたが、6,7割の人が効果を実感していると感じます。
滑るのが気になったり、雨の日でもガンガン履きたいという事であれば、後付けでラバー半張りをすることができるのも革底の良いところ。
ゴム底の靴を革にしたいといっても、オールソールするしか手立てがありませんから、こういった後から融通が利くというのも革底ならではです。私はラバーを張っています。
そして結婚式などのフォーマルなシーンには、ぜひ革底を履いてバシッと決めていただきたいです。誰の目に触れるところではありませんが、革底だと厚ぼったい印象がなくなるため、革底の靴というだけで、足元がエレガントになります。
ダイナイトソールに代表されるようなドレッシーなゴム底もありますが、やはり革底のエレガントさには敵いません。
③立体的に絞り込まれたウエスト
この36,が、大量生産品でないという証のひとつが、立体的で人間の足のようにくびれた土踏まず部のウエストラインです。
これによりしっかりと土踏まずを支え、歩行をしやすくするというメリットがあります。
大量生産の靴は、このウエストラインが大抵真っ直ぐ気味になるところですが、きちんとカーブを描いているところをみるだけで人間の手を使った手作り感にあふれる素晴らしい靴だとわかります。
この価格で革の質とウエストラインの美しさを両立しているブランドもそうはありません。
このような作り込みの手間暇もあってか、このシリーズは時期によっては欠品していて、しばらく待たないと購入できないことがしばしばあります。
欲しいと思う方は、細目にチェックし、商品のストックがあるときは見逃さないようにしましょう。
その他、この01DRCDをはじめとしたこのDRCDシリーズについては、熱くこちらで語っています!ぜひそちらも参照してください。
01DRCDはこんな人にオススメです
①まず確実なクオリティのある靴が欲しい人
②価格は出来る限り抑えたい人
③初めて本格靴にトライしてみたいという人
④革靴の重要さに気が付いた人
⑤革靴の違いを感じたい方
⑥土踏まずのフィッティングにこだわる人
⑦足下で周りとワンランク差をつけたい人
⑧手入れをするときちんと見栄えがよくなる靴が欲しい人
⑨経年変化を楽しめる靴が欲しい人
011RALと811RALとは、15,000円の価格の開き以上にクオリティの差があると思って間違いありません。
もちろんこれら2つも2万円代の中では、非常によくできた靴です。
革も高級なものが使われているものは、手入れのし甲斐があり、自然と靴もベストコンディションになっていくものです。
今回のストレートチップの厳選が何かの役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。