PERFETTO(ペルフェット) 日本の本格靴ブランドといったら忘れちゃいけません!

ここ最近の投稿は三陽山長をはじめとした、日本の靴を紹介していました。

日本の靴は日本人ならほとんどだれもが一度はその名前を聞いたことがあるであろう、REGALをはじめとして、その作りの精巧さが際立っているメーカーが多いです。

江戸時代より1つの物を修理して長く使うというのは、日本人の素晴らしい習慣の1つだと思っているのですが、そのような国民志向と結びつきが強いのは、本格靴の場合グッドイヤーウェルト製法によって作られた靴だと思います。

日本の本格靴ブランドの多くはグッドイヤーウェルト製法で作られたものが多いですね。

日本の本格靴ブランドも沢山ありますが、その中でもPERFETTO(ペルフェット)を抜きにして語ることは出来ないと思います。

今回はこのペルフェットについて紹介したいと思います。

目次

PERFETTO(ペルフェット)の来歴

PERFETTO(ペルフェット)は1985年に東京都足立区に創業したビナセーコー社が手掛けるブランドです。

現在は千葉県松戸に工場があります。

それまでのビナセーコー社はOEMでの展開が中心でした。多数の製作依頼がくるのにはもちろん理由があります。

ビナセーコー社はグッドイヤーウェルテッド製法をはじめとして、マッケイ、ボロネーゼ、ノルベジェーゼ製法、さらにはハンドソーンウェルト製法まで、数多の製法を使い分けることのできる実力派メーカーなのです。

PERFETTOはそのビナセーコー社が2006年にリリースしたオリジナルブランドです。

特にこのペルフェットは著名な靴セレクトショップであるワールドフットウェアギャラリーと関係が深いことは、ファンの間では有名な話です。

2003年から共同開発が始まったそうです。

イギリスにない艶、イタリアにない堅牢さ、日本にない最高の素材、ビスポークシューズのような細部までの作り込み、ピッチドヒール・スキンステッチ・シャドウステッチなどの縫製技術でした。そして、これを適正価格で実現することでした。

そうして出来た靴は「完璧」であるということから、イタリア語で「完璧な」という意味をもつ「PERFETTO」というのがブランド名になったわけです。「PERFETTO」を英語に直せば「PERFECT」になりますからね。

そうして3年かけて2006年に初めて発表したのが、ワールドフットウェアギャラリーとのダブルネームで発表したペルフェットでした。

つまりペルフェットはワールドフットウェアギャラリーで生まれたブランドなんですね。改めて凄いセレクトショップだと思います…。

このとき出されたダブルネームモデルは10年以上たった今もワールドフットウェアギャラリーにおいて展開されており、使われているラストもワールドフットウェアギャラリー限定のラストとなっています。

翌2007年には大々的にデビュー。これがペルフェットブランドの誕生と一般には言われます。伊勢丹・三越・阪急・そごう・西武といった高級百貨店にも販路が広がりました。首都圏でしかなかなかお目にかかれない靴なので、もっと地方にも広まるといいんですが…。

ペルフェットブランドの進出は日本にとどまらず、「KANPEKINA」という日本語読みにして、海外に逆に輸出しているほどです。シャドウステッチのペルフェットの靴はフランスでは、現地価格では日本円80,000円~90,000円近い値段で販売されているそうです。日本の製靴技術も海外に全く劣ることが無いことを、靴の本場であるヨーロッパの人々が認めたというのがうれしいですね。

ペルフェットはメンズEXなどでもお馴染みのイタリアで開かれる見本市であるピッティ・ウオモにも日本の靴メーカーとして出展し続けているという点も有名です。

ペルフェットの特徴

ペルフェットの最大の特徴と言えば、見た目はイタリア靴のような艶やかな革と、すらっとしたスマートなシルエットをとっていることです。

それでいて堅牢なグッドイヤーウェルト製法を採用しているため、長年履き続けることが可能となっています。

ゾンタ、イルチア、アノネイ、デュプイ、C.Fステッドといった世界中の著名タンナーの革を使って、かつスキンステッチやピッチドヒールといった高級仕様の作り込みをして値段は5万円代というところが、靴好きをうならせます。

ホントこの作りで、クロケット&ジョーンズなどよりも、3万円~4万円安いというのは信じられません。逆に海外に「KANPEKINA」が輸出されれば、日本でクロケット&ジョーンズを買うのと同じくらいの価格になるのも納得です。

ペルフェットの靴は履きおろしの時は硬い!

ペルフェットの靴は、履きおろし時にイギリス靴ブランドのグッドイヤーウェルト製法の靴とは、またベクトルが違う感じの独特の硬さがあります。

もちろん履き馴染めばとても快適な履き心地であることは間違いありませんが、革靴初心者の方だとビックリするほど最初は硬い履き心地です。

重要なことなので、何度も言いますが「最初」なので、いつまで経ってもガチガチに硬いわけではないことをここでお話しておきます(笑)

以前、ペルフェットブランドを主催しているビナセーコーの島村様と、都内のパターンオーダー会の時にお話したことがあるのですが、その時にお話されていたのが、ペルフェットは甲革にゾンタなどの高級皮革を使う「見た目の良さ」「表面上の良さ」に特化するのではなく、ライニングや目に見えない月形芯なども非常に高級な素材を使うことにこだわっているそうです。

それが独特な硬い履き心地を生んでいるのかな~なんて思います。

その分型崩れなどに滅法強く、全くヘタレません。以前アノネイの革を使ったペルフェットをもっていましたが、多少の雨などでは全くへこたれません(笑)非常に頼もしいアイテムであることは間違いありません。

ペルフェットの代表作 カンピドリオ

そんなペルフェットですが、いくつかの代表モデルがあります。

イタリアを彷彿させるようなモデル名をつけることでも有名なペルフェットですが、数あるモデルの中でも、とくに有名なのがペルフェットのカンピドリオです。

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レースステイ周りのパーフォレーションがアデレード型になっているセミブローグシューズです。

以前セミブローグの名作10選の記事においても紹介しましたね。

持ち上げるわけでもなんでもなく、心の底からセミブローグシューズを代表する名作だと思います。

メダリオンの形も、時々で変わっているようで、ペルフェットの頭文字である「P」をかたどったメダリオンのときもあります。

どうしてもこのメダリオンでカンピドリオを作りたい!という方は、たびたびおこなわれているパターンオーダー会を利用しましょう。

イタリア靴のようなシルエット・デザインと頑健さを持ち合わせた素晴らしい靴です。

この画像をご覧ください。ヒールのレザーの積み上げも細かで丁寧ですし、カンピドリオもモデルによっては、ピッチドヒールで作っていることもあります。

ソールはレザーソールが基本。

当然のように出し縫いの糸がみえない伏せ縫い仕様ですし、半カラス仕上げも実に美しいです。ペルフェットのロゴはイタリアの遺跡から出てきたレリーフがモチーフなのだそうですが、それがまた印象深いですね。イタリア靴を彷彿させるような発色の良いバーガンディーカラーの色付けも見事です。

なお、甲革に使われている革はその時々によってちょこちょこと変わるようで、主にゾンタやイルチアのミュージアムカーフのような艶やかな靴に使われていることが多いようです。

その時々に仕入れた革で作っているようで「常に○○タンナーの○○色のカンピドリオは作り続けている」という感じでは展開していません。

また、先ほどチラッと言ったように、メダリオンもその時々で変わっていて、メダリオンの形によってモデル名が変わったりすることはないようです。

ここがペルフェットブランドの面白いところですね。チャーチじゃ考えられない(笑)

一度見たときに決断しないと、再びお目にかかるまで長い時間がかかるかもしれません。いや、二度と展開されないこともあるかも?

私は常々靴・洋服というのは一期一会の出会いが大切だと思っているのですが、それを教えてくれるという意味でもとっても好きなブランドです。

ぜひ、日本の靴をお探しになられている方はペルフェットを検討されてみてはいかがでしょうか。

価格に対する作り込みはイギリス靴、イタリア靴を凌いでいる部分も多いですよ~。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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