Church’s Westbury(ウェストバリー)とBecket(ベケット)を比べてみよう!

ここ数年、日本、および世界のメンズファッションの足元を飾ったのはダブルモンクストラップシューズでした。

もちろん今なお人気はあるのですが、猫も杓子もダブルモンクシューズを展開していたためか、ダブルモンクストラップシューズは今となっては完全にビジネスシーンの靴として定番化され、その流れはずいぶんと落ち着いたように感じます。

仕事の装いにおいて、オフィスカジュアルの流れが進んだために、お仕事の日でもお休みの日でもどちらにも使える靴というのもどんどん注目されていきます。

その筆頭といえるのが、タッセルローファーです。

ここ2年ほどはタッセルローファー全盛期ともいえるほど大人気で、春夏はもちろん、秋冬になっても紳士服情報の中からタッセルローファーは消えることなく、バンバンと売り出されていました。

そのタッセルローファーの中でも、特に人気が高かったのはクロケット&ジョーンズのキャベンディッシュでした。

BEAMSやSHIPSなどの主だったセレクトショップに行ったときに、この靴を履いているスタッフを1人もみない、ということはないほど、お洒落に気を遣う層には大ヒットになったのです。

しかし、私はずっと思っていました。

タッセルローファーはどうしても子供っぽく見えて仕方がないと。

では、気楽に履けるけど、もう少しカチッとしていつつリラックス感が出るものは何なのか?

それはシングルモンクストラップシューズ以外に考えられませんでした。

シングルモンクストラップシューズの名作は少ないが…

どういうわけかシングルモンクストラップシューズの名作というのは、日本では生まれにくいと感じます。そんなに人気がないのかもしれません。

しかし、私は異を唱えたいと思います。

プレーンなのにも関わらず、バックルひとつで、ちょっと上品な印象を演出できるのは、ダービーのプレーントウとは大きな違いです。

紐もついていないので、リラックスした感じをよく生み出せます。

そんなシングルモンクストラップシューズですが、名作と呼べるモデルがハッキリとあります。

靴好きならみんなそのモデルネームを聞いたこともあるだろうモデルです。

それがChurch’sのWestbury(ウェストバリー)Becket(ベケット)です。

目次

Church’sはシングルモンクストラップシューズを作るのが得意

※こちらがWestbury(ウェストバリー)

※こちらがBecket(ベケット)

Westbury(ウェストバリー)もBecket(ベケット)もどちらもラスト73の時代から、後継であるラスト173に変更された今、なお作られ続けているシングルモンクストラップシューズの名作です。

シングルモンクストラップシューズにおいて、これ以上に圧倒的知名度をもった有名なモデルで、世界中の靴ブランドを全て見渡してもありません。(ベーメルが傑作シングルモンクストラップシューズを出していますが、あまりに高額かつ一般的にマイナーなため除外して考えます)

さらにいえば余談になりますが、チャーチにはかつてPiccadilly(ピカデリー)というウイングチップのシングルモンクストラップシューズも出していました。

使われているのはラスト73。このモデルも旧チャーチファンの間では根強い人気があり、オークションサイトに新品で出てくると即入札されるモデルです。

また、007ことジェームズ・ボンドが履いたのは同じくラスト73を使用したPresley(プレスリー)というモデル。

こちらはWestbury(ウェストバリー)のバックルが横長の細いバックルに変更され、それに伴いストラップとなる革も若干細くなっている、いわばウェストバリーの変形パターンモデルでした。世界で最も影響のあるファッションインフルエンサーのボンドにも履かせたシングルモンクストラップシューズ…。

そうです。実はチャーチはシングルモンクストラップシューズを作るのが大の得意のブランドなのです。

Westbury(ウェストバリー)とBecket(ベケット)の違い

チャーチがシングルモンクストラップシューズを作るのを得意としていることはお分かりいただけたかと思います。

今、チャーチを代表するラスト173をいまだに使っているモデルは、このウェストバリーとベケットのみとなりました。

ウェストバリーとベケット。どちらも使っているのはラスト173(73)です。

同じラストの同じプレーンシングルモンクストラップシューズなのにも関わらず、共食いせずに両モデルとも生き残ったのにはわけがあります。

両者のそれぞれの違いを両足並べた写真を比べながら、魅力を探っていきましょう。

バックルが全く違う

まず、一番に目につくのが、バックルの大きさです。

このバックルの大きさの違いは目立ちます。

大きなバックルを持っているウェストバリーはよりカジュアルな雰囲気を打ち出しやすいと感じます。

それに対し、清楚でシンプルなのがベケット。小ぶりのバックルは上品さに磨きがかかります。

カットが違う

また、革のカットも違います。ウェストバリーが土踏まずの部分からくるっと巻き付けるようにストラップの革が出ているのに対して、ベケットはダービーシューズのようなVフロントのカットになっています。

ベケットの方が、より基本に忠実なシングルモンクストラップシューズであってシャープな印象です。スーツなどに合わせるビジネス向けのシングルモンクストラップシューズといえます。

ウェストバリーはスリッポン

ウェストバリーとベケットの履き口に注目してください。

ウェストバリーのほうが、履き口が大きく取られていることがわかります。

ウェストバリーは実はシングルモンクスリッポンとして履くことが出来る靴なのです。

バックルにはビラゴムがついているため、きつくなった時に緩めたり、逆に締めたりすることができるため、調節可能なスリッポンシューズとして活躍することができます。

事実、ウェストバリーは海外では「Single Monk slippon shoes」と紹介されていることもあります。

ベケットはオーソドックスなシングルモンクストラップシューズ

スリッポンとしての機能をもつウェストバリーに対し、履き口の狭いベケットは、スリッポンとして簡単に履けない、オーソドックスなシングルモンクストラップシューズです。

それでいてベケットにはビラゴムがついていないため、革が馴染むまで着脱がちょっとだけ大変ですが、その代わりにストラップをとめる革に5つもの穴を空けてあるため、そこまで大変なことにはなっていません。

フォーマルなのがベケット、カジュアルなのがウェストバリー

これらの違いから、よりフォーマルなのがベケット、カジュアルなのがウェストバリーといえます。

この大きな違いによって、どちらのシングルモンクストラップシューズも生き残ってきたのです。

私のもっているベケットは色味がカジュアルなため、専らジャケットスタイルのビジカジにしか使いません。

ウェストバリーにおいては、スーツはもちろん、休みの日にもジーパンと合わせるなど、様々な表情を見せてくれるので、オンオフ問わず履いています。

現在日本では主にウェストバリーが展開されていますが、海外のHPをご覧いただければすぐにわかるとおり、ベケットも主力モデルとして今も展開されています。

どちらのタイプをお好みになり、どちらを選ぶかは個人個人のスタイルに大きくゆだねられますが、いずれにせよ、シングルモンクストラップシューズを買うとなったときは偉大なこの2つのモデルを検討する必要があるのではないかと私は考えます。

ぜひ、この両モデル検討されてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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