ゴールデンウィーク中日となりました。
連休が続く方もいらっしゃれば、お仕事に向かわれる方もいらっしゃるでしょう。
月初が平日なので、役所とかはめちゃくちゃ混んでそうですね。
月初が平日ということは、月末締めの作業なんかはやりやすそうだから、何だかんだ仕事でも良いのかな、と思ったり(笑)
こう考えるから仕事に脳が冒されてると言われるのでしょうか。
一流の仕事人は常に仕事のことを考えるのです(無表情)
さて、職場の同僚にあることを聞かれたので、今日はその話題を…
それは一流の靴職人(靴ブランド)は三流の素材で一流の靴を作れるのか?ということです。
よくテレビで、一流料理店のシェフが一般家庭の冷蔵庫に入ってる素材で、さながらレストランで食べる料理のようなものを作り上げるというものをやってますよね。
多分、そういうのと同じ発想で質問してきたのだと思いますが、なるほど面白い観点だなと思いました。
一流の靴の要件とは何なのかでしょうか?大体みなさん大筋で認められるところでは、以下のような条件ではないでしょうか。
- 仕立てがビスポークで手縫いであること
- 足型と靴がぴったり合うこと
- 素材が良く、革馴染みが良く出て、明らかに高級な佇まいであること
今回の前提条件の場合、3点目の素材が良くないということなのですが、果たしてこれで一流の靴は作り上げることはできるのでしょうか。
目次
結論から言って無理
まず結論からいうと、一流の靴職人であっても、三流の素材で一流の靴を作ってくれと言われても無理だと思います。
靴は革素材の良さによって、大きく表情を変えるものです。
革をラストの型通りにうまく吊り込んでも、光沢感や革の肌理の細かさなどによる素材の美しさが加わらないと靴としては美しく仕上がりません。
革の出来が良くないものはうまく吊り込めず、きちんとラストのとおりに型が出てこないという問題も発生します。
中には吊り込んだら革が裂けるという事もあり得るのです。
革の悪いものを使った靴は、経年変化も全く美しくなく、いくらクリームを入れても綺麗に仕上がりません。
また、大事なポイントは足当たりです。
高品質のレザーのライニングが使われているとそれだけで履き心地が良くなるものです。
革の伸び、足当たりが別次元です。スニーカーまでとはいきませんが、その域に限りなく近いくらい柔らかい足当たりを実現させるものがあります。
逆転の発想をしてみると…
逆に一流の素材を三流の靴職人(靴ブランド)に渡して最高の1足を作ってくれとお願いしても、恐らく作ることは出来ないでしょう。
普段から簡略的な靴作りをしている職人はいきなり手間のかかる工程の靴作りを依頼されても、その工程を踏んだことがないので、作り上げることはできません。
イギリスの靴でも、イタリアの靴でもブランドによって値段の差がありますが、値段の差の分だけやはり仕立て上がりは美しいものです。
革靴は値段に応じる
やはり革靴には素材と職人の腕、どちらも必要不可欠なもので、どちらかが欠けると途端に安っぽくなるものです。
近年、良質な革が手に入らなくなっています。もっともありふれていて、人にとって親しみのあるカーフレザーも良質なものがどんどん少なくなっています。
特にインポートシューズブランドに比べて、国内ブランドだとなかなか良質な革を手にする事が出来ず、苦戦するようです。
素材の面だけで言えば、70年代~80年代頃の既製靴のカーフレザーのほうが、現在ビスポークシューズなどに使われるようなものよりも、遥かに良かったりするのはちょっと悲しいことです。
やはり革靴(メゾンブランドを除き、現行品だけで考えれば)はきちんと金額によって、その質が比例するものだと思います。
安くて手放しで褒めることが出来る靴というのはそう簡単には手に入れられないということでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。