旧チャーチを探していると、たまに出てくるのが、有名モデルに数字番号がついている靴。
例えばコンサルだと、コンサルⅡ、コンサルⅢ、コンサルⅣといった具合で数字による番号管理がされています。
この番号管理は、長年の定番モデルの靴だとほとんどの場合されています。
ディプロマットでもディプロマットⅡ、ディプロマットⅢ、ディプロマットⅣ、ディプロマットⅤとあります。
私自身確認できていないものもあるのですが、数字があるということは、それだけモデル数はあるということでしょう。
かつてディプロマットⅣとディプロマットⅤを比べてみたことがありましたが、いったい何が具体的に違うのかよくわかりませんでした。
しかし、今回紹介する旧型のチェットウィンドはわりとわかりやすい明確になっているようです。
旧チャーチのチェットウィンドを探していると、よく出会うのがチェットウィンドⅤというモデルです。
これは一体何が普通のチェットウィンドの違うのでしょうか?
ひとまず現行のラスト173を使ったチェットウィンドと並べてみます。
ラスト173もラスト73をベースにして作っているだけあって、ぱっと見はほとんど変わらないように見えます。
どちらのほうが旧チャーチなのかわかる人はどれだけいるのでしょうか?
革質に注目してしまえばわかってしまうことですが、左足の方が現行のチェットウィンドで、右足のほうが旧チャーチのチェットウィンドⅤです。
昔の革は革の色味からして違います。黒がより黒く見えますね。
さらにいうと、こちらは写真をとるために全く同じクリーム、手順を踏んで、メンテナンスをしたあとで撮影したもの。
それでもこれだけの雰囲気の違いが出るのは面白いです。
こちらのチェットウィンドV、ラスト73であることには違いありませんが、Eウィズのためほっそりしています。
そしてEウィズだからというわけではなく、コバの張り出しも「チャーチの靴の特徴はこのコバの張り出しだ!」というほど張っていません。
むしろ現行品の方がコバの張り出しなどが目立ちます。
そう。旧チャーチの靴はステッチワークも今と比べると細かいために、全てが繊細にそして無駄な野暮ったさとは無縁のところにあるのです。
チャーチ=コバが張っている=ごつごつした昔ながらのイギリス靴という図式は当てはまりません。
個人的にEウィズのラスト73はスマートさと男らしさの出る靴のはざまにある、ちょうどいいバランスに感じます。
さて、本題に移ります。
何をもってチェットウィンドVとしているのか?
その答えは360°グッドイヤーウェルト製法になっているという点です。
両者を比べてみても一目瞭然。
基本的にチェットウィンドVというと、360°グッドイヤーウェルト製法で作られたチェットウィンドのことを指すようです。
同様にチェットウィンドの素材違いであるバックも、バックVというモデルがありますが、バックVも360°グッドイヤーウェルト製法です。
しかし、チェットウィンドVといっても、360°グッドイヤーウェルト製法のものでもないものもあります。
単純に作業ミスなのか何なのかはさだかではありません。これはバックに関しても同様です。
なお、ディプロマットに関してはディプロマットⅤになっても360°グッドイヤーウェルト製法にはならないようです。
ここもまた不思議なところ…。
しかし、今まで多くの靴をみてきて、旧チャーチのチェットウィンドは、360°グッドイヤーウェルト製法になっているかどうかで、VかVじゃないかの違いが出てくる、という持論は概ねあっているとは思います。
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秋も深まってきましたし、いよいよバリっとしたストライプスーツでも着て、重厚感たっぷりのフルブローグを履きたいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。