長い歴史を持つイギリス靴ブランド。
長い歴史があるだけに、こだわって時代が変わってもなお、看板商品を大切に扱っているメーカーがほとんどです。
たとえば、チャーチにはいくつかの定番商品があります。
もちろんこの2つの名前が挙がれば、ディプロマットを語らないわけにはいかないでしょう。
古くから存在しているモデルで、チャーチのカタログによると、1945年から存在していたそうです。
ちょっと前までオークションにも出ていましたが、1957年のチラシにもすでにその名前が挙がっています。それが2020年を迎えようとしている今もラストが少々変わりながらも、そのテイストを保ちながら作り続けられているわけですから驚くばかりです。
まさに老舗の味というやつでしょう。
さて、このディプロマットですが、本当のところ、定番で作っているのはせいぜいブラックとブラウンカラーのスムースレザーくらいだということはお気づきの方もいるのではないでしょうか。
スエードのタイプを見かけたことがある方も多いでしょうが、これはあくまで別注品的なディプロマットであって、年がら年中作っているものとはどうも違うようです。
なので、見つけた時が出会い。次に欲しいと思っても、その次がいつになるのかどうかわからないという代物なのです。
だから探しても探しても見つからないわけです。
そして待望のディプロマットのスエードが発売!
探しても探しても見つからないスエードのディプロマット。
この冬、ブリティッシュメイドからディプロマットのブラウンスエードが発売されました。
これもブリティッシュメイドの別注品ということです。
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現行のディプロマットに使われているラストはご承知のとおり、ラスト173です。
ラスト173の素晴らしいところは、クラシックで寸が適度に短く見えつつ、靴の中は現代人向けに捨て寸に余裕を持たせ、足に無理なく履けるものになっているところです。
旧チャーチのラスト73も好きですが、やはり捨て寸の短さは現代の靴からはなかなか考えられない短めの設計になっています。スニーカーじゃないんだから…と突っ込みたくなるような感じです。
これはチャーチに限らず、古い靴に大体共通しているところなんですが。
ディプロマットのメダリオンの大きさ、パーフォレーション、全ての位置が完璧で、実に見事なセミブローグシューズだと思っています。
以前、セミブローグシューズのおススメ10選の記事を作成したときにもディプロマットはランクインしていますが、問答無用堂々の一位と言える傑作セミブローグシューズです。
黒のスムースだとパリッとしてみえるディプロマットですが、これがブラウンのスエードになると表情が一変し、よりビジネスカジュアルに使いやすいモデルへと早変わりします。
穴飾りが華やかで素敵ですよね。この季節であればフランネルかツイードのジャケットなんかに合わせたいところです。
スエードとはいえど、内羽根のセミブローグ。
バリっとした趣も感じさせるのは間違いありません。
ジャケットスタイルに合わせたい靴になります。
たとえば、パンツがジーンズであっても上はテーラードジャケットを羽織るといったように少し工夫をしたいところです。
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本当は、スエードのディプロマットを、シェットランドセーター一枚に合わせてサラッと履いても、気合が入りすぎてみえないくらい、自分の着こなしを精進させたいと思わせる靴でもあります。
お洒落は奥が深い。気張って見せるときも必要ですが、気負い過ぎると、服に着られてしまってみえますからね。
その意味で、スエードのディプロマットは簡単にお洒落度をアップさせてくれる強力な靴になりますが、同時に自分のスタイルをどの方向にするか問いかけてくる靴なのです。
そして再三になりますが、この靴、決して定番のようで定番ではありません!
ビビッと来た方は是非お早めに!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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