旧チャーチのブックバインダーカーフの劣化について

このゴールデンウィーク中、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

私は特にパッとすることもなかったのですが…

麻疹風疹の予防接種を受けてきました。

連日ニュースで麻疹の流行を取り上げているので、虫の知らせというやつで、念のために受けておこうと思って病院に行ってきました。

案の定ワクチンはかかりつけの病院には置いておらず取り寄せでの接種となりました。

それでも待ったのは1日だけで済んだからラッキーでした。

しかし、家族から聞いたのですが、今朝のニュースでも麻疹を取り上げていたようです。

成人になってからだと、症状は重篤化しやすいとのことなので、恐ろしい病です。

女性の場合は子供が障碍をもって生まれやすくなるなど、認知度の割には、その恐ろしさがあまり伝わっていない病気のような気がします。

麻疹は非常に強く空気感染を起こすので、1人が罹患すると、インフルエンザの何倍もの感染者を生んでしまいます。

うがいやマスクなどでは予防できないので、直接的な予防策は予防接種によって免疫を体につけることしかないようです。

皆さん、気になったらきちんと予防接種を受けましょう。

病気は気が付かぬうちに忍び寄ってきます。

さて、気が付かないうちに忍び寄ってくるといえば…。

チャーチのブックバインダーカーフ、ポリッシュドバインダーカーフの劣化も突然やってきます。

見事に私の持っている旧チャーチのブックバインダーカーフもクラックが入り始めました。

ビンテージシューズというのもあってか、些細なクラックだったはずなのに、その傷口はあっという間に大きくなっていきます。

5月も半ばにさしかかり、雨の量も増える梅雨前だというのにこれにはガッカリです。

やはり上に樹脂加工などが施された靴はいつどうなるかわからないということを改めて思い知らされました。

では、今回どんな経緯をたどってクラックが入っていったか説明しましょう。

目次

前兆 こまかい縦筋のシワが入る

ブックバインダーカーフ、そしてその後継であるポリッシュドバインダーカーフの劣化は、ちょっと普通のガラス革の靴と違うような気がします。

通常クラックというと、横に入るものです。

特に親指と小指の付け根の一番負荷のかかる部分を中心とした部分が最も劣化するはずなのですが、この革の場合、細かい縦筋のシワが入ります。

これが1つでも見つかると、一気に縦筋のシワは増えていきます。

履くたびにその縦筋が増えていきます。

その縦筋のシワの増え方は、さながら冒頭にお話した麻疹のようであります。

その細かい縦筋の多さも麻疹のように全体に広がるかの様(ちょっと言い過ぎ 笑)

これが本格的な劣化の前兆となります。

突然現れるひび割れ

この縦筋が広がってからは劣化のスピードがさらに上がっていきます。

まるであかぎれのように、パクっと傷口が広がっていくのです。

かなり劣化のスピードが早いので、気が付いた時にはもうクラックだらけ、ということも珍しくありません。

こうなるとどうにも止めることが出来なくなっていきます。

どんなにお気に入りの靴でも、こうなってしまってはある種の寿命を迎えた、と考えても良いでしょう。

バインダーカーフのクラックの予防策・進行防止策

革靴にクラックはいずれ入るものです。

どんなに高い靴でも必ず入ります。

決してバインダーカーフに限った話ではありません。

このクラックの予防策はデリケートクリームで革に保湿をすることが第一です。

もちろん靴に合うシューキーパーを入れて、シワをきちんと伸ばしてあげることは前提条件です。

革も水分を失うと、劣化が早まりますからきちんと保湿をします。

バインダーカーフのようなものは、クリームが浸透しにくく、入っているようにはなかなか見えなかったりしますが、それでも手で直接クリームを馴染ませていくとクリームが吸収されるのを見ると、多少の効果はあると感じます。

全く何もケアをしないと、バインダーカーフも光沢感を失って見た目が悪くなりますから、しっかりクリームを入れてあげましょう。

一度クラックが入った場合の進行防止策も、シューキーパーを入れて、デリケートクリームを適時入れてあげる事しかできません。

個人的にブートブラックのリッチモイスチャークリームはバインダーカーフに浸透し、かつ効果が高いと感じています。

クラックの入りやすさは、ビンテージシューズの場合バインダーカーフには限らない

ところで、クラックの入りやすさはビンテージのバインダーカーフに限りません。

ビンテージシューズでも古ければ古いほど、クラックが入りやすいと感じます。

これは60年代頃のチャーチのディプロマットですが、バインダーカーフでもないにも関わらず、縦に細かく筋状のシワが入っています。

よくよく見てみると、革にごく些細な亀裂が入り始めています。

10㎝も離して見れば全く気が付かないほどのクラックですが、クラックはクラックです。

恐らくこの靴も、突然シワの裂けが広まって、一気にダメになるでしょう。

私の経験から申しあげて、たとえデッドストックであっても、ビンテージシューズは見た目では判断ができない経年劣化を起こしているものと捉えて付き合った方がいいです。

意気込んでビンテージシューズに手を出すと火傷します。皆さんも深みに入らないように気を付けてくださいね。

バインダーカーフはスエード以上に雨に強く、ドレッシーな雰囲気を損なわないため、とても便利な一足です。

職場の雰囲気的にスエードの靴を使えないという人には、このバインダーカーフの靴を強くおススメします。

要は付き合い方です。

靴のデメリットだけでなく、メリットにも目を向けて楽しみましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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