チャーチのカストロスエード(Castro Suede)について

私はスエード素材が大好きです。

雨の日にも気軽に履けるし、良くも悪くもかもしれませんが、革の風合いの変化が少ないため、きちんと手入れしていれば、いつでもこじゃれた雰囲気を演出できます。

今回は特にチャーチのスエードについてお話しましょう。

チャーチのスエードの靴には、いくつかの種類があります。

Soft Suede

Superbuck

などがメジャーなところとしてありますが、一番チャーチの靴でポピュラーなスエードは間違いなく…

Castro Suede(カストロ スエード)

でしょう。

主にRyder(ライダー) RyderⅢ(ライダー3)

Fairfield(フェアフィールド)

サハラ

といったチャーチのメジャーなスエードシューズにはこのカストロスエードが使われています。

少し毛足がぼさぼさとした粗めの起毛感。

さわってみると非常に柔らかくて、足馴染みが良いのが特徴です。

しっとりともしています。

銀付きのスエードになるので、肉厚で丈夫です。

「スエードは履き皺が入ってうねりが出ると、その部分からどんどん色が退色してうすぼけたようになるから好きじゃない」

「スエードは汚くなって劣化が早いから好きじゃない」

という声もチラホラ聞きますが、それはあまりに質の悪いスエードの話だと思います。

質の良いスエードは全くそんなこともなく、綺麗なまま経年変化をしていきます。

チャーチのスエードは基本カーフです

さて、チャーチのスエードの話をすると、必ずついてまわる話があります。

それはチャーチのスエードは山羊の革であるということです。

これはどういったところから広まった話なのか…?よくわかりませんが、、、

チャーチのスエードは基本カーフです。

今回紹介するカストロスエードはまさしくカーフのスエードなのです。

これは個人の憶測ですが、チャーチのカストロスエードは、イタリアの著名タンナーである、

「ゾンタ」

の革であるとみています。

ゾンタはジョン・ロブやガジアーノ&ガーリングといった超一流靴ブランドも御用達の名門タンナーであり、世界的にみても、最も品質が安定しているタンナーだそうです。

さて、私がなぜチャーチのカストロスエードがゾンタ社のカーフスエードだと断言しているのかというと…。

これはまんまな話なのですが、ゾンタから「Castro」というレーベルの銀付きカーフスエードを製造しているからです。

そして、たびたびおこなわれる様々なブランドのオーダー会で、革のスワッチをみると、ゾンタ社の「カストロ」を使用しているところが稀にあります。

国産靴ブランドでは、せいぜいイギリスのチャールズ・F・ステッドのスーパーバックしか出さないため、これは結構レアだと思います。

なお、ゾンタは他のレーベルのスエードも出しています。

よくあるのがMink(ミンク)というこれまた銀付きのスエードです。こちらも滑らかで丈夫そうですね。

東急プラザ銀座のエドワードグリーンの店にいくと、通年でパターンオーダーを受け付けてくれますが、その革スワッチをみても「Mink」というものがあります。こちらは革がより滑らかな感じです。

これは間違いなくゾンタのスエードでしょう。

「ミンク」と「カストロ」はそれぞれ表情が違いますが、どちらも銀付きのカーフスエードということで間違いありません。

カストロは粗野な感じはありますが、一向にヘタれる様子がありません。

非常に丈夫な革であることは間違いありません。

ちょっと毛足の粗さが目立って来たら、ライターで表面を炙って表面を整えてもいいでしょう。

個人的にこのカストロスエードは私が大好きなスエードです。

これがコンビネーションのコインローファーなどであれば、「ミンク」のような綺麗めなスエードがいいかもしれませんけどね。

あまりに綺麗なスエードだとドレッシーすぎて、ライダーなどのスポーティーシューズには合わなくなりますから、これくらい少々野暮ったくて愛嬌があり、汚れてもそれが味になるようなスエードのほうがいいというところなのでしょう。

ガシガシ履いて履き倒すくらいの勢いに負けないカストロスエードは使い勝手も抜群で、洒落た感じも出せる逸品です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

※今回紹介した話はメーカー公式の発表ではありません。個人の見解です。

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コメント

  1. momo より:

    初めまして、とても楽しく読ませていただいています!

    おそらく同年代⁈

    と勝手な親近感をもって更新を待っています。

    こちらのブログを読んで、ライダーが欲しくなってしまいました、笑

    そこで、管理人さんに質問です。ライダーの適切な捨て寸はどのくらいになるでしょうか⁇

    • バーリーコーン より:

      momoさん
      コメントありがとうございます。
      ライダーいいですよ。個人的にはライダー3がおすすめです。パキッと見えますからジャケットスタイルにまで使いやすいです。

      さて、ライダーの捨て寸ですが、昔にできた木型で作られている靴なので、やはり短いと感じます。
      ラスト173で6.0なら6.5にハーフサイズアップするのが無難だと思います。
      横幅があまったとしても、縦寸が詰まっては歩けませんから。

  2. FM より:

    チャーチについてのエントリーが多く、お詳しいかと思いお伺いします。
    159とは、どの様なラストがご存知でしょうか?
    ご存知でしたらサイズ感など御教示頂ければ幸いです。
    ヘリングでセール中なので狙ってみたい気もありますが、情報が見当たらないのです。
    https://www.herringshoes.co.uk/product-info.php?&brandid=4&shoeid=15441&x=1

    よろしくお願いします。

    • バーリーコーン より:

      FM様
      コメントありがとうございます。
      チャーチのラスト159は、ラスト136のように、モダンなスタイルとなっており、ロングノーズでつま先にかけてのシェイプが強いラストになっています。
      このラストが使われるモデルの多くが、半張り型のラバーソールをぬいつけてあり、その形もかつて存在したヘリテージコレクションのような波型の半カラス状になっています。

      なにより一番の特徴はライニングにパットが盛り付けられており、厚みがあることです。タンや土踏まず部分でそれを感じることができます。

      土踏まずのつきあげは、オールデンのモディファイドラストとまではいいませんが、結構強く感じます。

      なので、ラスト159はスタイリッシュなシェイプと共に、ビジネスマン向けの歩行サポートを意識して作られている、現代人向けの最新のラストです。
      同様のコンセプトでかつてラスト138というラストを使ったモデルもありました。(ダブルモンクのレッドストーンというモデルなど)

      サイズはラスト173に対し、サイズをひとつ小さくする人がいるだろうな、という感じのサイズ感です。
      ただし、指先にかけてのシェイプもきついため、指幅がある方がサイズを下げるとつま先にあたる可能性も高いです。

      ご参考になれば幸いです。

  3. FM より:

    早速のコメントありがとうございます。
    出自や特徴の解説、とても参考になりました。
    コンサルが7ですのでハーフ下げの6.5でポチってみました(7がサイズアウトというのもありますが)