Bollini(ボリーニ)やエンツォ・ボナフェのラマカーフ

革が柔らかく、履き初めに時間がかからない靴を探している時は、イギリス靴ではなく、やはりイタリア靴から探していくべきかと思います。

マッケイ製法やボロネーゼ製法で柔らかい仕立てになっているのはもちろんのことなのですが、革自体も柔らかで履き馴染みの良いものを採用することが多いです。

特にイタリア靴に採用されているスエードや型押し、シュリンクの革はとても柔らかいものが多いのが印象です。

代表的なタンナーで例をいえば、ヌオバオズバ、ゾンタのスエードは良いものが多く、ここら辺のタンナーのスエードになると、スムースレザー(表革)よりも高価になることもしばしばです。

イタリア靴のスエードはふにゃふにゃになるくらい柔らかくて、イギリス靴のような痛くて修行のような時期を過ごさなくて済むというメリットがあります。

また、スムースレザーに限らずシュリンクの革も柔らかい印象です。

特に今回紹介する「ラマカーフ」というシュリンクレザーは特に柔らかいと感じます。

目次

ラマカーフの靴

今回紹介するラマカーフの靴は、前日記事にした、イタリアはBollini(ボリーニ)の靴です。

ブラックのラマカーフのモデルです。

コインローファーですが、ノーズが長く、ブラックのシュリンクレザーの風合いによって全く子供っぽくなっておらず履いていてカッコいいです。

やはり大人が履くローファーはこうじゃなくっちゃね、と言いたくなる雰囲気。

イギリス靴やアメリカ靴のタッセルローファーやコインローファーのようなガキ臭さがみじんもありません。

履き心地は柔らかく、履き馴染みにもほとんど苦労せずに馴染んでくれました。ありがたいですね。ローファー系はマッケイ製法なんかで出来ているといえども、最初はピッタリとしていて、靴擦れもおこすものですが、このラマカーフは全くそういった思いをせずに済みました。

本当に柔らかくて、履き馴染みに苦労するローファーに使うにはうってつけの素材だと思いました。

さて、このラマカーフこと、シュリンクレザーとはいったいどういったものなのでしょうか?

シュリンクレザーとは

シュリンクレザーとは、レザー特有のシワや傷を目立ちにくくするために、なめしの段階で特殊な薬品でシュリンク(縮める)したレザーのことです。

また、薬品を使わずに手で揉んで細かいシボをつけたレザーを揉み革とよんだりもします。

表面に細かいシワが入るのが特徴で、とっても柔らかいのが特徴です。

イタリアの靴では、このシュリンクレザーで、「ラマカーフ」という名称のものが使われていることをしばしば見かけます。

おそらくこの「ラマ」とは動物のラマのことを指しているのでしょうが、これは牛のシュリンクレザーです。なかなか本物のラマの革を使った靴というのはみかけません。

ペルーなどのラマが身近にいる地域においてはその革を利用するようですが、ラマはあまり食用などにはしないようです。

荷物運搬用に家畜として飼ったり、その糞を燃料にしたりしているようです。よって革がでることもあまりなく、希少性も非常に高いと考えられます。

少なくとも通年店頭にこの革が作られた靴が並んでいるということはありません。

イタリア靴はラマカーフが好き

さて、このラマカーフというのは、本当に色々なブランドで使われています。

現行でいえば、イタリア高級靴ブランドであれば、だいたいやっています。

このボリーニの靴と同じ革と思われます。

サントーニ、ボナフェあたりはこのラマカーフの靴を良く作っています。

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独特のシボ感が大人っぽいですよね。

イギリス靴のスコッチグレインレザーのような均一で、連続性のあるシボではなく、不規則な印象です。

昔の靴にも「ラマ」レザーが使わている

このラマという名称は昔の靴でも使われていました。好例が旧チャーチの靴です。

これはBurwood(バーウッド)と見た目やラストが全く同じで、素材違いで出来ている、Angus(アンガス)というモデルです。2都市時代前後の古いチャーチに見受けられるモデルで、現在は廃盤となっています。

このアンガスこそ、LAMAという革が使われているモデルです。

こちらはどうも牛の肩の部分の革を使っているようです。

ラマカーフと名称こそ一緒ですが、明らかにシボ感が違います。こちらはどうもイタリアのタンナーの革を使っていたようですが、やはり今市場でみかけるラマカーフとは別物です。

しかし、ラマという名称をわざわざ用いているところをみるあたり、エキゾチックレザーの雰囲気を出そうとしていたのはよくわかります。

柔らかくて他にない雰囲気を探している方へ

ラマカーフは素材感の大人っぽさ、そして圧倒的柔らかさからくる履き心地の良さが最大のメリットです。

ローファーになると本当に履きやすいですから、いつもローファーの履き馴染みで苦労している、という人はこのラマカーフを使ったイタリア靴をチョイスしてみてはいかがでしょうか?

履き心地の良さは太鼓判です!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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