a.testoni(ア・テストーニ)にも行ってきました

ここのところ続けてサントーニを紹介してきました。

そして、そのサントーニの靴を紹介しているうちに、サントーニショップに行きたくなって、見に行ってきました。それが前回の記事ですね。

なかなか銀座に行くこともないので、せっかくならば!とサントーニショップへ行った後にで寄り道。

イタリア靴の中でも著名なa.testoni(ア・テストーニ)の旗艦店に行ってきました!

日本ではテストーニの呼び名で通っています。

テストーニのショップは2003年にオープンしてなお銀座にお店を構えているのです。

どうせならとことんイタリア靴を見てみようと思い足を運んできました。

今回の記事はテストーニのレポートです!

目次

a.testoniの歴史・概要

1929年、アメデオ・テストーニ氏がイタリアのボローニャにア・テストーニを創業しました。この「ア」というのは、アメデオのイニシャルに由来しています。

もともとテストーニの家系は代々靴職人であり、アメデオ・テストーニ自身ももちろん靴職人。ビスポークシューズメーカーとして自分の名前を冠したブランドを立ち上げます。

1960年代に発展し、様々な国に靴の販路を広げていきました。

また、ステファノ・ブランキーニやエンツォ・ボナフェといった、現在のイタリア靴ブランドの創業者たちも修行していたという話は特に有名です。

さて、そんなテストーニの最大の特徴はボロネーゼ製法により作られる靴の数々です。

ボロネーゼ製法とは

ボロネーゼ製法は、テストーニによって生み出されました。

「ボロネーゼ」とは、テストーニの創業地、ボローニャに名前が由来しています。

マッケイ製法を発展させた製法で、ライニングとインソールが一体となっており、袋状になっているために非常に足当たりが柔らかく、まるで靴下で足を包み込むような履き心地は、この製法でしか得られません。

グッドイヤーウエルト製法のようにリブパーツもないため、屈曲性は抜群でまるでスニーカーのように靴がしなります。この返りの良さは、他のどの製法よりも優れています。

そのため革靴につきものの、革が馴染むまでの辛い期間はほとんどない優れた作りです。

マッケイ製法同様、製法上ウエルトを付ける必要がないため、デザインの自由度は高く、エレガントな雰囲気を作りだすことが可能です。

ただし、ライニングとインソールが一体になっており、事実上の中底と呼べる、足が触れるパーツ(インソール)の下はすぐに本底になるため、本底が擦り減ると、直接中底も貫通して穴が空いてしまうという、製法上の良さと引き換えに耐久性は極めてもろい靴です。

もちろんマッケイ縫いをしているため、オールソール自体は可能ですし、インソールに穴が空いたとしてもそこに革をあてて、補修することも可能です。

ただし、やはり回数に限りはあります。

ボロネーゼ製法のこの耐久性の弱点を補うために、ラバーを半張りするという手もありますが、ラバーを張るとボロネーゼ製法の最大のメリットである屈曲性の良さがかなり損なわれるという欠点もあります。

また、製法上コルクなどのクッション材はほとんど入れられませんし、全く入っていないボロネーゼ製法のものも多いです。

そのため、衝撃が足に伝わりやすく、長時間の歩行では逆に疲れやすくなります。

逆に、それ以外は極めて快適な靴なので、オフィスワーク中心でほとんど歩かない、という人にはかなり快適な靴になります。

オフィスワーカーは重くて硬くて履き馴染みしにくいグッドイヤーウエルト製法の靴よりも向ているかもしれません。

実際にテストーニの靴を試してみました

テストーニのショップでは紳士靴以外にも婦人靴や、バッグ、革小物など様々な革製品を販売しています。

肝心の紳士靴は、ブラックレーベルという中のインソックがブラックラベルになっているものが基本的にボロネーゼ製法が採用されたテストーニらしい商品になっています。

ボロネーゼ製法以外はマッケイ製法、モノによってはセメント式のものもありました。

やはりイタリア靴らしく、看板モデルや、長年続けているロングセラー商品はないようです。

もちろんモデルネームもついておらず、サントーニのように管理番号がつけられています。

せっかくならボロネーゼ製法のブラックレーベルの靴を履いてみようと思い、試着の依頼。

肝心の靴を履いてみると、UKサイズ表記と同じでした。UK7.5であれば、テストーニの靴も7.5でもいいでしょう。(ラストなどによって大きく違う可能性があります。その点はお忘れなく)

やはり、非常に軽かったです。普段から重みのあるグッドイヤーウエルト製法によって作られているイギリス靴を履いていて、それに慣れていると…

テストーニの靴を履いた時には、まるで靴を履いていないかのような印象を受けます。

決して大げさな表現でもなく、これはボロネーゼ製法由来の軽さと屈曲性の良さから来る履き心地です。

しかしその反面、中底がそもそもインソールなので、底は薄いのが履いてすぐに感じました。

まるで地面の上に直接素足で立っているかのような履き心地で、私のように日頃よく歩くライフスタイルだと、逆にその衝撃によってすぐに疲れ、あっという間に靴も壊れてしまうだろうな、と感じました。

また、正直甲革の革質が良くなかったです。皺の入り方は大味で、みみずばれのような皺がちょっと履いただけで入ってしまったのは残念でした。これで10万円以上するのはちょっと辛い…。

革自体も経年変化によるクラック発生には強くないだろうなぁ…。

と、思いましたが、これはテストーニの靴を履くうえで語るべき点ではなく、そこに突っ込むのは野暮です。

そもそも耐久性に重きを置いているブランドではないのです。

まるで靴下を履いているかのような柔らかな圧倒的履き心地の柔らかさに値段がついているのです。

良い面・悪い面があるのはグッドイヤーウエルト製法の靴も一緒です。

この履き心地の良さ、一度お試しになってみるのもいいのではないでしょうか。

イギリス靴では絶対に得られない快適さがありますよ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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