夏場、Tシャツで歩くのはいつも気が引けています。元はアメリカ海軍の労働服。その簡素なデザインに惹かれる人もいますが、雑っぽい雰囲気があるのも確か。
外出するときは襟付きのポロシャツを意識的に着るようにしています。
襟がつくだけで、パリッとして見えて、清潔感が出るという点が嬉しいですね。
ポロシャツを初めて作ったのが、ワニのマークでお馴染みのラコステです。
以前ラコステのポロシャツに関して、詳しく紹介したことがありましたね。
ラコステが開発したポロシャツは爆発的に売れ世界に広まっていきます。
ラコステ、フレッドペリー、ラルフローレンはポロシャツの御三家となりました。
どのポロシャツも魅力的ですが…
今回はラコステが自国のフランス生産を辞めた中で、未だに自国のイギリス製ポロシャツを作り続けている、フレッドペリーのポロシャツに関して紹介していきたいと思います。
目次
フレッドペリーの歴史
フレッドペリーは、ラコステというブランドが、テニス選手のルネ・ラコステが創設したのと同じように、フレッドペリーもフレッド・ペリーというテニス選手が創設したブランドです。フレッドペリーとは愛称で、本名はフレデリック・ジョン・ペリーといいます。
4度の結婚と7回の結婚式を挙げたというロマンスが絶えない生涯だったそうです。
フレッドは最初は卓球選手でしたが、やがてテニスに転向します。
イギリスのテニス界の第一人者となり、1931年から男子テニス国別対抗戦・デビスカップのイギリス代表となる。1933年、フレッドはイギリスの「デイリー・テレグラフ」紙の評論家の選考による世界ランキングで2位に入りました。
1933年の全米選手権で4大大会に初優勝を果たします。労働階級にいた人間が、貴族向けスポーツのテニスにおいて、実績を残すということは当時としては画期的なことでした。
なお、この1933年がラコステがブランドを立ち上げた記念すべき年となりました。すでにルネ・ラコステは引退していたのです。
その後フレッドは1935年の全仏選手権で初優勝します。
男子テニス選手として初めて4大大会のシングルス・タイトルをすべて獲得し、男子テニス史上初の「キャリア・グランドスラム」達成という偉業を成し遂げました。
1940年現役を引退すると、自身の愛称であるフレッド・ペリーの名を入れたリストバンドを製作します。これがフレッドペリーブランドの創設のきっかけになります。
そして1952年、ペリーはロンドンで「フレッド・ペリー・スポーツウェア社」を設立しました。月桂樹のロゴがアクセントとなり、公の場に出るたび、フレッド自身がそのポロシャツを着ていたので、広く知られようになります。実際、体にフィットするテニスウェアとして、テニスプレイヤーから人気を博します。
フレッドペリーのポロシャツが従来のポロシャツと大きく違ったのは、シルエットとフィット感でした。当時のポロシャツは身頃もゆったりとしていて、ダボッとした見た目と着心地だったのです。フレッドペリーのポロシャツはそれに対して、身頃を絞り、ピッタリと体のラインに沿うポロシャツを開発しました。
このポロシャツはテニスプレイヤーだけでなく、モッズと呼ばれた若者たちにも受け入れられます。
1960年代、まだスポーツウエアが日常生活で切るものとして浸透していなかった時代に、フレッドペリーのポロシャツはタウンウエアとひて受け入れられ、モッズはこのポロシャツとモヘアのスーツを着て夜通し遊んだのです。
このモッズファッションは世界的に大きな影響を与え、今なおモッズファッションは息づいています。
モッズファッションですから、ロークのブライトンなどとその親和性が高いのです。
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モッズ文化はミュージックシーンとも結び付きが強く、ポール・ウェラー、デビッド・ボウイといった名だたるアーティスト達も着ていました。これがモッズファッションの文化を確かなものとする要因でした。
フレッドペリー 人気のモデル
さて、そんなフレッドペリーのポロシャツですが、特に有名で代表作となっているモデルがあります。
M12
ロンドンのサッカークラブチーム、ウェストハムのファンがフレッドペリーシャツにクラブカラーを加えることが出来ないか、ロンドンの有名なショップ、リリーホワイトを訪ねます。リリーホワイトはそれをフレッドペリー社に依頼、色の付いたティップラインが正式にラインナップに加えられました。これが最初のティップラインシャツの誕生でした。
フレッドペリーのポロシャツといえば「M12」というほど、人気がありブランドの象徴となっているポロシャツです。
いまだにイギリス生産にこだわって作られているモデルになります。
M3
フレッドペリーのポロシャツらしい、細身のボックスシルエットで、イギリスらしい着丈と袖丈が長さがよくわかるモデルです。
M3のポロシャツは日本製のフレッドペリーのポロシャツよりも月桂樹のロゴが大きくなっており、細かな仕様の違いがマニア心をくすぐります。
フレッドペリーは渋く着ることもできます
フレッドペリーのポロシャツはラコステやラルフローレンに比べると、やや若者向けのブランドのように感じるかもしれません。
テニスプレイヤーが好んできていたり、モッズファッションに好まれたことから全体的に細身のイメージがあったり、UKロックのミュージシャンが着ているためにそういう風に感じるのかもしれません。
しかし、実際はそんなことはありません。
古い話にはなりますが、初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーも007シリーズ第四作の「サンダーボール作戦」において、ネイビー×アイスカラーの月桂樹ロゴの入ったフレッドペリーのポロシャツを着ているのです。
おそらく仕様からみて、M3のポロシャツと見て間違いないでしょう。
完成された男性像として語られるジェームズ・ボンドですが、フレッドペリーのポロシャツで彼のように渋く着ることだってできます。
フレッドペリーのポロシャツの着用感
フレッドペリーのポロシャツは見た目がスリムですが、ゆるやかに編まれており、しっとりとした着心地の良さが堪能できます。
ラコステのフランス企画のポロシャツに近い印象です。
細身で着丈が長いので、シルエットもすらりと見えて着心地だけでなく、見た目の良さも十分感じていただけます。
現在色々な国でフレッドペリーのポロシャツは製造されていますが、まずはイギリス製の「M12」のポロシャツか「M3」のポロシャツを試してみることをおススメします。
やはり高価なポロシャツだけあって、その良さを実感いただけることでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。