先日このサイトにAMPを導入したところ、ユーザー数が激減したように見え、めちゃくちゃ焦ってサイトを元に戻す作業を見よう見まねで行っていました。
結論からいうと、Google神の怒りを買い、検索エンジンに引っかからなくなったとかいう話でなく、計上する指標が変わったために、激変したそうで、実は訪問して頂いている方々の数自体は変わらないようです。
人気のあるページがイスカンダルの彼方へと旅立ってしまったかと思い、憔悴しました。
しかし、検索順位が落っこちた様子もありません。
なるべく価値のあるサイトを作ろうと意識し、情報を一つ一つのモデルをこれでもかと落とし込んで紹介していたのが、ここにきてその真価を発揮しました。
とりあえず問題が無いことがわかったので、一安心です。
とはいえ、やはり前のAMPの表示が輝けライフ!的に観にくいのも事実で、早急に変更しました。
まだ完全に反映されるには、1週間以上はかかると見込んでいますが、今しばらくお待ちください。
逆に一瞬の変更ではありましたが、従来のサイトよりも見やすかったという意見がありましたら、コメントなどで教えていただけると幸いです。
さて、ここ最近の投稿で「革」に関することで色々とご意見、ご質問をいただくことがあったので、輝けライフ!の運営人の個人的な見解をお話していきます。
目次
輝けライフ!が好きな革は…
個人で運営しているサイトなので、好き嫌いがどうしても反映されてしまいますが、私は薄いカーフよりも、適度に厚みがあってコシがあり、粘り気のあるようなしっかりとした革が好きです。
昔の革なんて、巷で騒がれているほどではないですが、明らかに革の厚み、弾力感、もちもち感があり、ロウ分がないデリケートクリームを使っても、何故だか自然に光る側そのものの良さがありました。
もちろんビンテージシューズを「よいしょ」するということではないのですが、歴然としたレベルの差が出てきます。
何度か当サイトで紹介している、旧チャーチのBecket(ベケット)もその革の代表格です。
今は亡きイギリスのタンナー、ピポディのブラッケンアニリンカーフは、デリケートクリームだけでも光るという素晴らしい革です。
厚みがしっかりあるのに、抜群に柔らかく、コシがあって非常に丈夫…。
残念ながら、今の時代10万、20万積んでもこのレベルの革は手に入らなくなっています。
現在、ジョンロブの既製靴でもこのレベルの革は手に入らないと思います。
クロケット&ジョーンズの革でご意見を頂いたのですが、私はクロケット&ジョーンズの革は素晴らしいと思っています。
しかし比較されがちのチャーチの革のほうが、厚みもあって丈夫な印象があります。だから個人的にはチャーチの革のほうが評価が高いのですが、光沢感はクロケット&ジョーンズのほうが出ます。柔らかさもあります。
しかし、私が実際に両者を履き比べてみて、チャーチの革のほうが丈夫さでは秀でていると感じただけです。
私は億万長者でもないですし、そんなにポンポンと靴を買えるわけではありません。
そして靴は実用性の中に美しさが宿ると考えているので、きちんと道具として使って美しさを昇華したいのです。
そういう面でいくと、多少軟な気がするクロケット&ジョーンズの革が悪いように聞こえるような言いまわしになってしまうのです。
あえて比べてるだけであって、十分クロケット&ジョーンズの革も高級感があり、光りますし、耐久性もあると私は感じています。
悪くなることはあっても良くなることはないと思います
そして、次。
革の価格バランスはどうなの?という質問がありましたが、本当に値上がりしているブランドが多いので、旧来の靴が好きな人は、この値段でこの靴は買わないなぁと感じるわけです。
今、タンナーは全世界的に閉鎖されている状態です。
タンナーのレシピ、職人技はその伝承の流れが一度失われると復興は難しい。
良質な原皮の確保も難しくなってきています。
気候変動によって良質な草を食べれない牛の革はシワまみれの革になります。
食肉用にむりやりホルモン剤を入れて急激に体を大きくした牛の革も美しくないということもあります。
環境問題、働く人間への身体へのダメージを考慮し、昔は使っていた薬品を使わなくなったという例もあります。
食生活の変化もあります。
また、人間の食生活自体が大きく変わって、仔牛を食べなくなったという背景がある地域もあります。
そして牛以外の革は動物愛護団体などの手によって、手に入れることが難しくなっているものもあります。
環境問題、人間の労働環境の問題などの点をみれば、革の質が悪くなることによって、その分良くなる点が多く、そしてそれは革を無理やり作るよりも意味のあることだと思います。
しかし、純粋に革というマテリアルだけに焦点を絞れば、物寂しく思う点もあります。
残念ながら革製造の逆風は止まるどころか、今後ますます強くなっていくでしょう。ましてや昔のような革が作れるようになる明るいニュースを聞きません。
こんな革を今見れますか?
最後に紹介したいのは旧旧チャーチのディアスキンの革です。
当時のカタログによればブラジルのバックスキンのようです。
革は一枚の革で、甲革の面を銀面側を逆立てバックスキンにし、ライニングの面に肉面(スエードに使われる裏革)を使います。ライニングはスエード仕立てにした贅沢な革です。
これこそ厚みがあり、柔らかさが桁違いである革です。
残念ながらこの革も、もはや手に入りません。
しかし、ビンテージシューズが何でもかんでもいいかというと、ラストの形状が古臭すぎたり、底が突然分解したりとデメリットも多いのです。
私はそしていつも思っています。
今のうちに革靴をしっかり学んで、手に入れるべき瞬間は間違いなく手に入れるようにしようと。
ぼやぼやしていると現行品のレベルの革ですら手に入らなくなると考えられるからです。
皆さんも一目ぼれした靴があれば、ぜひ手にしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント
私の書き込みに対して、わざわざ一つ記事をあげていただいたものと思います、お手数をお掛けいたしまして恐縮です。大変ありがとうございました。
Hassはhaasですね、vassと勘違いしました、すみません。
この書き込みには返信ご不要です。
革靴好きにとって、皮革、特に牛革について良く理解することは重要だと常々思っています。このバリーコーンさんのブログのように良質で影響力のあるブログで発信される情報は、初心者に誤解を招かないようにすることも必要ではないかと思いコメント致しました。失礼をお許しください。
靴の甲革の厚みを測定するには、ライニングがされていない部分で測定する必要があります。通常の革靴だとタンの上部くらいしかありません。タン部分が独立した革で作られている場合には、甲革の厚みを推測できないことも多いです。ピポディのカーフは一般的に薄いものと思われますが、お持ちのベケットではどの部分で革の厚みを測られたのでしょうか。私の持っているロブパリの靴の中で2足は一部アンライニングになっている部分があり、ここで測定することができますが、この2足でもライニングされている部分からは甲革の厚みはほぼ分かりません。
牛革について理解するには革の構造について理解する必要もあります。釈迦に説法かとは思いますが、一頭の牛から取れる革の厚みは、取るときに調整できるようなものではありません。同種の牛であれば幼牛からは薄くしか取れず、成牛からは厚くしかとれません。幼牛から取れる皮の面積は成牛より小さくなるため、コスト押し上げの要因になります。ベイビーカーフは最も薄く最も高価になります。
私見ですが、良質な傷の無いベイビーカーフの原皮が入手しづらくなった理由の一つとして、ヨーロッパでは牛の囲い飼育が禁止されたこともあると考えています。
革の柔らかさについてですが、比較的厚い革の場合、甲革に使用する場合は柔らかく鞣し、ソールに使用する場合は固めに鞣し分けています。薄い革を柔らかく鞣すと靴材としては柔らかくなりすぎるので、通常は固めに鞣されています。薄い革が衣服に使われる場合は、概ね柔らかめに鞣されています。
鹿革については牛革とはまた事情が異なると思われます。ビンテージを主に鹿革のバックスキンを数足所有していますが、最良のバックスキンは、手持ちの中では現行アンソニークレバリー製のものです。原皮を取った鹿はおそらく野生に近いものと思われ、家畜として飼育されている牛の状況とはまた異なっていると考えられます。
話は変わりますが、私もビンテージチャーチが大好きです。ビンテージチャーチについてはなかなかまとまった情報が無い中、バリーコーンさんのこのブログで、知らなかったことを沢山教えていただきました、ありがとうございます。今後のますますのご活躍を期待しております。
記事拝読しました。
ドレスシューズに関する大概の個人ブログが「自慢大会」に終止する中、革靴の現在置かれている状況、革靴をポイントに置いた男性ファッションへの提案や考察など、玄人のみならず素人にも平易に書かれたバリーコーンさんのブログは大変貴重な存在です。ブランドが何を第一義に革靴を作り、購入する我々は何を第一義に革靴をもとめるのか。「悪くなることはあっても良くはならない」革の現実をどう受け止めるかも含めて、セレクトショップの大合唱の奥にあるものを見定めなくてはと感じました。
私のチャーチが大好きです!チャーチの記事楽しみにしています!