春が近づいてくると、イギリスのクラシックな靴だけでなく、パティーヌによって色付けられた華やいだイタリア靴を履きたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
今回の記事もイタリア靴ブランドの紹介です。
昨日取り上げたフランチェスコ・ベニーニョと同じく、イタリア靴の中では中堅ブランドとして位置付けられる…
Franceschetti(フランチェスケッティ)です。
目次
フランチェスケッティの概要
20世紀初期、イタリアは南部に位置するマルセーユ地方の小さな町モンテグラナーロにおいて、第一次世界大戦直後、現フランチェスケッティの社長の祖父Adelio Franceschettiが、ワークショップで完全に手作りの男性用靴製造を始めました。これがフランチェスケッティのブランドの事実上スタートとなります。
Adelioの2人の息子、AnnibaleとUgoは、すぐに彼の店に入り、第二次世界大戦の終わりに、Franceschetti Brothersの会社「Calzaturificio Adelio」を支援して設立されました。彼らは、1957年にAdelioが亡くなった後も、靴の生産を続けながら、1965年まで現場を数回変えました。今日はCalzaturificio Franceschettiの拠点となりました。
第3世代に移行した1983年、現在の会社はCalzaturificio “Franceschetti Srl”の名前で設立されました。同社はイタリアでのマーケティングに加え、オーストリア、ドイツ、日本、ベルギーでの輸出を開始しています。現在、ドイツ、ロシア、イタリア、香港、オーストリア、フランス、アメリカ、トルコ、日本などの主要な都市で人気を博しています。
フランチェスケッティ社はブランドを3つ展開しています
同社は3つの商標の下で営業しています。
Franceschetti(フランチェスケッティ)
日本で最もよく見かけるものは、自社ブランドを冠したFranceschettiです。
パティーヌによって彩られ、マッケイ製法やブラックラピド製法などで仕立てられた靴の数々は実にイタリア靴らしいといえます。
Lendvay&Schwarcz(レントファイ ウント シュワルツ)
これはハンガリーなどの北欧の靴をイメージした靴です。
古典的な北欧シューズをイメージした独特な丸みのある靴が特徴的です。
フランチェスケッティのセカンドラインと紹介しているサイトもありますが、値段とブラックラピド製法を主体としたイタリア製の靴は、セカンドラインという表現は正しくなく、全く別ラインの靴と考えるとよいかと思います。
W.Gibbs(ダブル・ギブス)
ギブスは典型的なイギリス靴をイメージして作られている靴です。
そのフォルムは丸っこくイギリス靴のスタイルを強く意識して踏襲したデザインになっています。しかし、製法は耐久性と軽快さを兼ね備えたブラックラピド製法を採用しており、イタリア靴らしさも忘れていません。
ギブスの靴は日本ではほとんど見かけないのである意味でレアなレーベルと言えるでしょう。
製法はブラックラピド製法とマッケイ製法を主に採用
フランチェスケッティの靴はブラック・ラピド製法を採用していることが多いです。
ブラック・ラピド製法は、マッケイ製法の軽さと履き馴染みの良さとグッドイヤーウェルト製法の耐久性の良さの両方を取り入れた製法で、マッケイ製法よりも手間もかかる製法をとっています。
それは、フランチェスケッティの靴に対する哲学が見える部分でもあります。他のイタリア靴ブランドよりも耐久性を考えているのがよくわかります。
もちろん、より軽さを追究し、縫い代としてミッドソールをウェルトにする必要のないマッケイ製法の靴もあります。
フランチェスケッティといえば「馬」!
フランチェスケッティの靴といえば、そのブランドロゴにもなっている「馬」がブランドのアイコンになっています。
ハンドパティーヌによって、ブランドロゴの馬が表現されることもあり、日本においてはこの馬のロゴのパティーヌの靴というイメージが強いかもしれません。
しかし、フランチェスケッティの靴は本来このイメージにとどまらない、良質な素材を使い、中庸的でありながらイタリア靴らしいデザインの靴を展開するブランドなのです。
これはトラです(笑)
イギリス靴では100%こんなデザインの靴は出ませんね(笑)
フランチェスケッティには様々なラインがあります
フランチェスケッティには実は様々なラインがあります。
日本では百貨店などでは、いかにもイタリア靴ブランドらしい派手なパティーヌシューズが展開されていることによって、本来のフランチェスケッティのブランド感がわからなくなりがちです。事実日本ではまずお目にかかることがなかなかないラインもありますが、ここで少し紹介しましょう。
クラシックライン
クラシックラインはブラックラピド製法を主に採用したものです。
クラシックラインはさらに「フォーマル」と「デラックスパティーヌ」の2ラインに分かれます。
まずは「フォーマル」。日本では見かけることは少ないですが、適度なノーズの長さと、程よい丸めのトウが特徴な中庸的な靴の展開が多いです。フランチェスケッティ社が展開する別レーベル「ギブス」の靴のようなイギリス靴的な程よさがあります。
画像のようないたって普通なウイングチップシューズもあるのです。
「デラックスパティーヌ」はその名のとおりパティーヌが施され、デザインも独特なものが多いですが、あまり強烈で使いにくいデザインの靴はありません。実に洗練されています。
カジュアルライン
スニーカーなどの靴がこのカジュアルラインの靴です。カジュアルコレクションでもイタリア靴らしい華やいだ色味のレザースニーカーは大人の休日スタイルにピッタリです。
ウェディング
これもほとんど日本では見かけませんが、ウェディングシーンに合わせられるように、エナメルの靴や内羽根のプレーントウなどを展開しており、極めてフォーマルシーンのドレスコードに忠実なコレクションになっています。
素材は良いものを使っているイメージ
フランチェスケッティの靴は値段相応の良い素材を使った靴だと思います。
ブラックラピド製法によって仕立てられているものが多いため、オールソールもしやすく長持ちさせやすいです。
個人的にはベニーニョの靴よりもフランチェスケッティの靴の方が好きです(笑)
イタリア靴を探している方は、このフランチェスケッティも、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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