Stefano Bemer(ステファノ・べーメル) 革の魔術師

今回の記事ではステファノ・ベーメルの靴を紹介していきたいと思います。

Santoni(サントーニ)

a.testoni(ア・テストーニ)

FRANCESCO BENIGNO(フランチェスコ・ベニーニョ)

Franceschetti(フランチェスケッティ)

このサイトでは今まで4つのイタリア靴ブランドを紹介してきましたが、これらのブランドをしのぐ圧倒的なクオリティを持つブランドです。
ステファノ・ベーメルの靴はビスポークシューズメーカーのため、既製品においてもハンドソーンウェルト製法によって、その美スポークの技術をふんだんに盛り込んでいるのです。

それでは、ステファノ・ベーメルとはいったいどのようなブランドなのか?

ご紹介していきましょう。

目次

Stefano Bemer(ステファノ・ベーメル)の概要

Stefano Bemer(ステファノ・ベーメル)はステファノ・ベーメルという靴職人の名前を冠したブランドです。

ベーメルは19歳の時、靴の修理工からそのキャリアスタートします。修理の仕事をこなしつつ、店を閉めると靴職人のもとに通う生活を送っていました。

ここで雲上の靴を作ることで有名なビスポークメーカー、ガットの靴を見て一念発起したステファノ・ベーメルは1988年に自身の名を冠したビスポークシューズメーカーを作ります。

工房をかまえてわずか10年あまりでイタリア屈指の洒落者、「タイ・ユア・タイ」の創設者、フランコ・ミヌッチに認められ一級の工芸品のみが集うDAギャラリーに永久展示されるという快挙も成し遂げています。

2000年から満を持して既製靴のコレクションもスタートします。

ビスポーク・シューズ工房を開設してから12年もの歳月をかけて発表した既製靴は、足に吸い付くようなフィッティングを生み出します。

なお、その既製靴の販売店第一号は日本だったのも驚きです。

こうして彼は努力の末に天才アルティジャーノという名声を得たのでした。

ステファノ・ベーメル氏亡き今は…

努力の末にイタリア靴の中でも、トップクラスの知名度を得たベーメルでしたが
仕事中に倒れ、2012年7月28日に48歳という若さで夭逝。

ブランド存続の危機に瀕した時、ブランド存続を守るために立ち上がったのがスクオーラ・デル・クオイオという皮革学校の直系であるトマゾ・メラーニ氏でした。


トマゾ・メラーニ氏はベーメル氏のもとで修業を積んだ、坂東雅子氏と井俣久美子氏という2人の日本人の職人とベーメル氏の妻クリスティーナ氏と会合し、彼の意志を引き継ぐことを決意します。「ステファノ・ベーメル」の名はこうして残ったのです。

しかし、まさか日本の靴職人さんがステファノ・ベーメルを支えているとは驚きです。クロケット&ジョーンズの店員の話の時にも触れましたが、海外シューズブランドの業界で活躍する日本人が多いことに気付かされますね。

→クロケット&ジョーンズのロンドンの店員紹介の話はこちらから

トマゾ・メラーニ氏はベーメル氏が亡くなった翌年の春にベーメル社の代表につきます。

工房を移転させ、拡充しました。職人も増やし、生産能力と品質を向上させます。立て続けに靴学校の開講も行い、生徒も順調に増えています。

今でも時折日本でオーダー会を行うことがあり、主に新宿伊勢丹のメンズ館にて受注をしています。

ステファノ・ベーメル最大の特徴 「革の魔術師」

生前よりステファノ・ベーメルには「革の魔術師」という異名がありました。

これこそが「ステファノ・ベーメル」ブランドの最大の特徴なのです。

色とりどりの革を使いこなすのはもちろんのこと、ありとあらゆる素材の革を使い、様々な表現をしています。

象、ワニ、トカゲ、鮫…

どんなエキゾチックレザーでも、ステファノ・ベーメルの手にかかれば、美しい靴へと変わっていくのです。

ステファノ・ベーメル氏亡き後もこの「革の魔術師」というブランドの特徴は受け継がれており、上記のエキゾチックレザーも難なく使いこなします。

通常はシワや血筋が目立つために、使われることのない牛の首の革を大胆にも使うこともあります。

革を自由自在に使いこなすのは、ウィーンのビスポークシューズメーカー、ゲオルグ・マテルナなどもお得意ですが、ステファノ・ベーメルもその技術では劣っていません。

変幻自在の革の表現こそステファノ・ベーメルの最大の特徴であり、他のブランドにはない魅力なのです。

代表モデルはウイングチップとシングルモンク

ステファノ・ベーメルの代表的なモデルといえば、シングルモンクとウイングチップです。

シングルモンクはこちら

モデルネームこそついていませんが、通し番号「201」はステファノ・ベーメルの靴を一度でも欲しいと感じた方には忘れられない番号です。

そしてもう1つがウイングチップ

「6350」というナンバーモデル。

メダリオンのデザイン画独特で、靴好きが見たらすぐにステファノ・ベーメルの靴だとわかる傑作です。羽根のバランスなども非常に良く、上品に見えるのが素晴らしいですね。

ジョン・ロブやエドワード・グリーンの靴などの購入を検討されている方は、ハンドソーンで作られた柔らかな履き心地と耐久性を兼ね備えたステファノ・ベーメルの靴の購入も検討してみてはいかがでしょうか!とてもおススメです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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